2022年10月28日 令和3年度決算総括質疑

【質 問】

1 令和3年度の県政運営に対する評価について

 まず初めに、令和3年度の県政運営に対する吉村知事ご自身の評価についてお伺い致したいと存じます。令和3年度は、吉村知事におかれましては、平成21年2月に知事就任以来、13年目、4期目スタートの年度でございました。

 振り返りますと、リーマンショックによる世界的な金融危機に始まり、就任2年後の平成23年3月11日には、千年に一度とまで言われました「東日本大震災」さらには「福島第一原発事故」と、極めて厳しい時代の県政運営を強いられてまいりました。そうした中におきまして、一貫して「心の通うあったかい県政」を貫き通され、現場主義、県民目線の県政運営に邁進いたしておられるその姿勢には、頭の下がる思いでございます。そして、今さら申し上げるまでもございませんが、2019年末に中国においてと考えられております、新型コロナウイルス感染症について、2020年1月初旬に厚生労働省から各都道府県等に注意喚起が発せられて以降、WHOがパンデミックとみなしたのが2か月後の3月11日と記憶いたしております。本県で初めて感染者が確認されたのは、3月31日でございました。今夏には第7波に入ったと言われており、10月27日現在、本県における感染者数は121,423名となり、207名の死亡が確認されております。亡くなられた皆様方に改めまして心よりのご冥福をお祈り申し上げますとともに、療養中の皆様方の一日も早いご回復を願うものでございます。

 今日に至る3年近い経過の中で、新型コロナウイルス感染症から、県民の命と健康を守る闘いに挑み続けていると言っても過言ではないと評価致すものでございます。そして、本年8月に発生致しましたかつて経験したことがないような豪雨災害。地球温暖化に起因するともいわれる近年の自然災害への対応もまた県民生活を守るために挑み続けている闘いということでしょう。こうした地球規模での環境変化に対しては令和2年8月に「ゼロカーボンやまがた2050(ニーゼロゴーゼロ)」をいち早く宣言され、国の動きを先導する役割を果たしたものと評価致しております。さらには、コロナ禍やロシアのウクライナ侵略戦争、国の経済・金融政策に起因するかつてない円安、燃油高騰、物価高で、県内企業や農業関係者への打撃が大きく、県民生活が脅かされております。これらすべての対策が、一県だけで解決できるものではないことは、言うまでもないところでございますが、今後とも時宜を捉えた施策展開を期待するものでございます。さて、吉村知事におかれましては、4期目の県政運営にあたり「コロナ克服・山形経済再生!」をうたい、

1.「子育てするなら山形県」の実現

2.「健康長寿日本一」の実現

3.県民幸せデジタル化

4.「1人当たり県民所得」の向上

5.やまがた強靭化  

を掲げました。本県に必要な施策を的確に迅速に発し、実行することこそ、グローバル化した世界で起こる地球規模のあらゆる変化に対応し、県民生活の安定に資するものであることは間違いありません。そこで、令和3年度における県政運営の舵取りをどのように進められて、知事自身はどのように評価されておられるのか、吉村知事にお伺い致したいと存じます。

【吉村知事答弁】

 令和3年度は、新型コロナ感染拡大に直面し、国難とも言える社会経済情勢の中にあって、「コロナ克服・山形経済再生」を掲げ、全力で各種の取組みを進めてまいりました。
 新型コロナにつきましては、県民の皆様の命と暮らしを守ることを最優先に、関係機関と連携して検査・医療提供体制の強化を図ってまいりました。また、度重なる感染拡大の波に対しては、医療専門家や関係団体の御意見をお聞きしながら、県内医療の崩壊を防ぐため、その時々に応じた対策を講じ、現場に携わる関係者の御尽力と県民・事業者の皆様の御協力をいただいて対応してきたところでございます。

  感染防止対策の要となるワクチン接種につきましても、適時適切な情報提供など、市町村における接種が円滑に進むよう支援するとともに、県においても大規模接種を実施した結果、本県の接種率は全国上位で推移しております。
 県内経済につきましては、一部で持ち直しの動きがみられたものの飲食業や宿泊・旅行業などは大変厳しい状況が続いておりました。このため、「山形県新型コロナ対策認証制度」を創設し、県内外の方々が安心して飲食や宿泊ができる環境を整備し、令和3年度は
4,050施設の認証を行いました。加えて、消費喚起策としてプレミアム付きクーポン券の発行や観光キャンペーンを実施するなど、県内経済の回復に向けた取組みを展開するとともに、事業継続や雇用の維持に向けた支援を継続いたしました。あわせて、県総合文化芸術館の利用促進や文化芸術・プロスポーツを支援する入館料等の割引キャンペーンを展開し、コロナ禍にあっても文化・スポーツの振興に取り組んでまいりました。
 農林水産業に関しましては、新型コロナの影響を受けた外食産業の需要減少などにより、米価が大幅に下落しました。このため、政府に対し、全国知事会等を通して対策の必要性を訴えるとともに、県独自に「山形米(マイ)ハート贈ろうキャンペーン」をはじめとする消費拡大策を実施したところであります。あわせまして、人工衛星データを活用した「つや姫」の生育診断といったスマート農林水産業を推進するなど、本県の農林水産業の競争力強化にも取り組みました。
 また、令和3年度は多くの自然災害にも見舞われ、特に、春の降霜・降雹では、さくらんぼをはじめ多くの農作物に被害が発生したことから、「凍霜害・雹害緊急対策パッケージ」による資金面や技術面での総合的な支援を速やかに実施したところでございます。
 一方で、新型コロナを契機とする社会環境の変化に迅速かつ柔軟に対応し、少子高齢化を伴う人口減少や若者・女性の流出、地域経済の維持・発展といった地方が抱える共通の課題にも粘り強く取り組んでまいりました。
 具体的には、子育て環境のさらなる充実に向け、子育て費用の段階的な無償化に向けた取組みを開始するとともに、女性も活躍できる環境づくりに向け、若年女性の現状やニーズを把握するための「オンライン100人女子会」の開催や女性の賃金向上・処遇改善などへの支援を実施いたしました。
 また、地域経済活性化に資する新たなビジネスの創出のための交流拠点・ワンストップ相談窓口として、さらには働き方の変化に対応したコワーキングスペース機能も備えた「スタートアップステーション・ジョージ山形」を昨年の11月に開設したところであります。
 さらには、本県の未来を拓く「山形新幹線米沢トンネル(仮称)」の早期事業化に向けた取組みを推進するとともに、「やまがたワーケーション新幹線」の運行など、関係人口の増大と移住・定住の促進につながる取組みも展開してきたところであります。
 これらの取組みに加え、近年相次ぐ自然災害の一因ともいわれる地球温暖化対策は急務でありますので、本年2月に「カーボンニュートラルやまがたアクションプラン」を策定し、県全体で取組みを進めております。
 このように、令和3年度は、新型コロナや自然災害など喫緊の課題に対応しながら、ウィズコロナ・ポストコロナを見据えて、県勢発展につながる取組みを展開できたものと捉えております。
 今後とも、真の豊かさと幸せを実感できる山形県の実現に向けて、SDGsの視点も生かしながら、誰一人取り残されない持続可能な県づくりを多様な主体との連携により力強く推進したいと考えております。

【質 問】

2 令和3年度決算に関する監査委員の意見について               

 次に、令和3年度決算に関する監査委員の意見についてお伺い致します。県政発展のためには、予算の執行状況に関する監査の重要性は申し上げるまでもないところでございます。PDCAサイクルの中のチェックが機能することによって、次のアクションが起動する、まさに監査の役割は極めて大なるものだという認識でございます。令和3年度の歳入歳出決算審査におきましては、審査に付された歳入歳出決算書、歳入歳出決算事項別明細書、実質収支に関する調書及び財産に関する調書について、

(1)決算の計数は正確であるか

(2)予算の執行は議決の趣旨に沿って適正かつ効率的に行われているか

(3)資金の管理及び運用は適正に行われているか

(4)財産の取得、管理及び処分は適正に行われているか

の4項目を審査の着眼点にして進められたとございます。これらに基づき審査した結果、3点の意見が付されております。

 1点目は、「持続可能な行財政基盤の確立」とありまして、経常収支比率と将来負担比率は改善、調整基金は増加、県債残高は減少、の状況から本県財政は順調のように見えるところでございますが、一方で、公債費が高い水準で推移とあり、財源不足が続き厳しい中で、歳入歳出の両面から持続可能な行財政基盤を確立するため、「山形県行財政改革推進プラン2021(ニーゼロニーイチ)」に基づく取組みが必要であること。

 2点目は、「ウイズコロナ・ポストコロナを見据えた県づくり」とありまして、新型コロナウイルス感染症が長期化する中で、原油価格・物価高騰、国際情勢の変化、人手不足等、地域経済の厳しい状況を踏まえ、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務の効率化、県民サービスの向上など持続可能な県づくりの推進に取り組まれたいこと。

 3点目は、「財務事務の適正な執行」とありまして、「不適正な事務処理を未然に防止するための取組」を重点監査項目に位置付けられ、内部統制が施行され2年が経過したことも踏まえた監査がなされたものと思います。

 令和3年度は、新型コロナウイルス感染症対応などで、職員皆様方が多忙を極める一年だったと思います。そうした中におきましても、県民皆様からお預かりを致します「税金」の適正執行は必要不可欠なところでございます。今回の監査結果において、指摘や注意事項が前年度より増加していることについて、監査委員としてどのように捉え、また、その上で改善に向けて必要な対応策としてどのような点に重点を置いて取り組むべきかについて、代表監査委員にお伺いいたします。

【代表監査委員答弁】

 令和3年度定期監査は、全部で231の機関を対象に実施し、このうち、是正・改善を要するものとして指摘、あるいは注意事項の対象となった事案は76の機関で117件、前年から27件の増加となりました。具体的なものとして特に多いのが、支出事務における支払の遅れ、収入事務における調定の遅れなどのほか、補助金等の交付事務において、交付決定や額の確定の遅れ、変更承認の手続に不備があったことなどであります。また、前年度と同様の不適正な事務処理が繰り返されている所属も、いくつか確認されたところであります。

 こうした不適正な事務処理が発生した背景には、新型コロナへの対応をはじめ、凍霜害や豪雪への対応など、全体的に事務量が増加した中で、関係規程等に対する理解が十分でなかったことや、組織的な確認や進行管理が徹底されていなかったことなどが挙げられます。ひとたび不適正な事務処理が発生すれば、その内容によっては、是正改善のための措置や原因の分析、再発防止策の検討と実施に多くの時間と労力が割かれることになり、その影響は事業者等多方面に及ぶことにもなりかねません。こうした事務処理上のリスクの発現を未然に防止し、事務の適正執行を確保するための内部統制が、知事部局において本格的に導入されて2年余りが経過し、この間、他の任命権者においても同様の取組がはじまり、職員の意識の向上につながっていると捉えておりますが、この度の監査結果を踏まえると、改めて、全ての職員が内部統制の趣旨を十分理解し、主体的に取り組むことが重要であると認識したところです。このため、県政に対する県民からの信頼は、職員一人ひとりの適正な事務の執行の上に成り立っていることを強く自覚し、所属長の適切なマネジメントの下、職員同士のコミュニケーションを活性化させ、風通しの良い職場風土を醸成し、事務事業の進捗状況の共有や、協力体制の一層の強化などに取り組んでいただきたいと考えております。

 監査委員といたしましては、こうした内部統制の実効性を高めるための取組状況について、定期監査の中で重点的に確認を行うとともに、発生事案について、同様の誤りを防止する観点から、その要因と再発防止策も含めて、全庁的に情報を発信し、注意を喚起してまいります。

【質 問】

3 コロナ禍における病院事業の状況と課題について

 (1) 令和3年度病院事業決算の評価と課題について

 次に、コロナ禍における病院事業の状況と課題について、まず令和3年度病院事業決算の評価と課題認識についてお伺い致したいと存じます。

 令和元年度の決算特別委員会で、平成30年度病院事業決算状況について、お尋ねを致したことがございますが、その時点での監査の状況から、6年連続の赤字であり、依然として厳しい経営状況にあるとのご指摘でございました。また、平成28年度に初めて資金不足が生じたことから、平成29年度には資金不足比率が12.1%となり、企業債発行に際し総務大臣の許可が必要となり「資金不足等解消計画」を策定致しました。そして病院事業局あげて経営健全化に動き出した矢先に、新型コロナウイルス感染症への対応に迫られる事態となったところでございます。「県立病院における新型コロナウイルス感染症への対応については、3病院で県内最多(68床)の専用病床を確保するとともに、感染症外来を運営し、多くの感染患者を受け入れました。また河北病院では山形県PCR自主検査センターを運営し、4,326件の検査を実施するなど、感染の収束に向け、県立病院が有する総合力を発揮してきた」との説明がございました。

 こうした新型コロナの影響がある中、患者数は入院外来ともに前年から増加し、医業収益は約17億6千万円の増加。経常収支は、コロナに係る補助金の受入れなどもあり約16億3千万円の黒字と大きく改善致したようでございます。先ほども申し上げましたように、「中期経営計画」や「資金不足等解消計画」を策定し、経営改善に鋭意取り組んでいるところではありますが、県立病院の持続的・安定的な運営基盤の確保のためには、本格的なウイズコロナ・ポストコロナの到来を見据えた、更なる経営改善の取組みが急務と考えるものでございますが、いかがでしょうか。こうしたことを踏まえ、病院事業会計の令和3年度決算の結果をどのように評価されておられるのか、また、課題をどのように認識されておられるのか、病院事業管理者にお伺い致します。

【病院事業管理者答弁】

 令和3年度の病院事業は、前年度に引き続き、多くの新型コロナの感染患者を受け入れて治療に最善を尽くしながら、河北病院では山形県PCR自主検査センターを運営するなど、コロナ対策の中核となって取り組むとともに、県民の皆さんに必要な医療を持続的に提供することにより、県立病院としての役割を積極的に果たしてまいりました。

 そのような中、病院事業会計の令和3年度決算を、前年度と比較しますと、入院では、中央病院や新庄病院において、新型コロナ専用病床を確保しながらも、延期していた予定手術を徐々に再開したことなどにより、患者延数は1,925人の増加となり、外来では、前年度は一般の患者の受診控え等により患者延数が大幅に落ち込みましたが、延期していた治療や検査を徐々に再開したことなどにより、1万7,653人の増加となり、医業収益は、17億6千万円の増収となりました。

 一方で、医業費用は、患者延数の増加に伴う薬品や診療材料の購入に要する材料費の増、退職給付費等の給与費の増、重油の高騰による燃料費の増などにより、9億7千万円の増加となりました。その結果、差引きとなる医業収支は、7億9千万円の増と大きく改善したところであります。また、医業外収益は、河北病院で新型コロナ専用病床を新たに6床設けたことに伴う病床確保料や各病院の院内感染拡大防止対策等に係る新型コロナ補助金の受入れが、6億1千7百万円増加したことなどにより、これを含む経常収支は、6億7千3百万円改善し、16億3千3百万円の黒字となりました。

 この結果、地方公共団体の財政の健全化に関する法律による資金不足比率は、14.1パーセントだったものが10.0パーセントになり、大きく改善したところであります。このように令和3年度の決算は、前年度に引き続き新型コロナへの対応に係る病床確保料等の受入れにより、経常黒字となりましたが、本業である医業収支は、改善はしたものの新型コロナ流行前の令和元年度を依然として下回っており、決して予断を許さない厳しい状況にあるものと認識しております。加えて、令和5年度の新型コロナの病床確保料等の政府による支援は、現時点ではその方針が明確に示されておらず、今後、制度の縮小も想定せざるを得ないほか、不安定な国際情勢に起因する原油価格・物価の高騰によるコスト増が経営を圧迫すると考えられるなど、懸念材料が多く、これまでにも増して経営改善に注力する必要があると考えております。

 こうした新型コロナの収束が依然として見通せない状況や社会情勢の急激な変化の中にあって、持続的に県民医療を守り支えるためには、医師をはじめ専門的な知識等を持った人材の確保・育成も重要であります。その取組みの一環として、新庄病院では、昨年度新たに腫瘍内科の医師を配置し、中央病院やこころの医療センターでは、多くの専門研修医が研修修了後もそのまま病院に定着したほか、今年度にはなりますが、河北病院において新たに総合診療医を配置するなど、医療提供体制の充実を継続的に図っております。

 また、高度化、複雑化が進む医療情報システムに関する実務経験を有する医療情報職を計画的に採用し、各病院への配置を進めるとともに、令和3年度から、病院事務全般を専門的に担当する病院経営職の採用を始めたところであります。加えて、地域の医療需要の変化に的確に対応して、病院の機能や組織体制の見直しを進めるとともに、診療報酬上の加算の上位区分の取得等に努めて収益の向上を図ったことなどにより、令和3年度の診療単価は、入院、外来とも過去最高となりました。さらに、AIによる診療前問診システムの導入などDXの推進による業務の効率化を進めてきており、引き続き、あらゆる角度から経営改善に努めなければならないと考えております。県立病院が、引き続き、本格的なウィズコロナ・ポストコロナを見据えながら、救急医療や高度で専門的な医療など、地域医療提供体制を支える県立病院としての役割を果たせるよう、資金不足等解消計画や中期経営計画に基づき、病院事業の運営基盤の一層の強化にしっかりと取り組んでまいります。

【質 問】

(2) 県立病院における処遇改善手当の実績等について

 次に、県立病院における処遇改善手当の実績等についてお伺い致します。

 昨年、岸田政権におきまして、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の中で、「未来社会を切り拓く『新しい資本主義』の起動」と称し「分配戦略~安心と成長を呼ぶ「人」への投資の強化~」として、公的部門における分配機能の強化等を掲げ、看護、介護、保育、幼児教育などの現場で働く方々の収入の引き上げを、閣議決定され、本年2月に衆議院本会議において令和3年度補正予算、令和4年度予算等が可決されました。そのことを受けまして、賃金水準を引き上げることに、異論を申し上げるわけにはいかないと認識しながらも、今回の処遇改善の制度は、例えば、コロナ禍で多数のPCR検査をこなした「臨床検査技師」や、コロナの重症患者に使用するECMO(エクモ:体外式膜型人工肺)の操作に欠くことのできない「臨床工学技士」など、看護職以外の職員を対象にするかどうかの判断は病院に委ねるということになっており、中途半端な印象がぬぐえないのであります。何よりも県民の命と健康を守るために一丸となって対応する同じ職場で働く方々が、この政策によって格差を助長し、あるいは同一職種においても賃金に格差が生じないのか、疑問を申し上げたところでございますし、更には、2月から本年9月までの期間となっていることから、その後の対応に懸念を申し上げたところでございました。

 そこで、昨年度2か月間の手当支給の実績はどのようになっているのか、また、支給対象を看護師のみとしたこと、支給されない病院があることについて、県立病院内においてどのように受けとめられているのか、病院事業管理者にお伺い致しておきたいと存じます。また、本年10月以降の診療報酬で月額12,000円/人を確保するためには、県立中央病院での必要金額はどのくらいになって、その負担をお願いする入院患者一人当たりの負担はどのくらいになるのか、併せてお伺い致します。

【病院事業管理者答弁】

 県立病院では、政府の補助事業を活用した看護職員に対する処遇改善を今年2月から実施しております。その昨年度の実績は、看護師及び助産師に対し一人当たり月額4,000円の手当を支給し、その額は合計で846万円となりました。支給対象については、政府の補助事業の算定対象とされた中央病院、新庄病院及び河北病院に勤務する看護職員としましたが、病院現場からは、①コロナ禍の中で他の病院と同じ様に県民の命と健康を守るために頑張っているこころの医療センターの職員や、②看護職員と一丸となってチーム医療を提供しているコメディカル職員についても、同じように処遇改善するべきだ、との声も聞かれたところです。こうした声に対しては、当局としても真摯に受け止め、政府の補助事業の制度設計などを丁寧に説明したうえで、支給対象者を決定したところであります。

 10月以降は、診療報酬制度の中で看護職員処遇改善評価料という新たな加算が創設され、処遇改善を実施するために必要な財源が措置されることとなりましたが、加算の対象となる職員については従前の国庫補助制度と同様であり、当局として新たに見直すべき要素がなかったことや、近隣県の対応状況なども踏まえ、労働組合との話合いも行ったうえで、処遇改善の対象者を9月までの取扱いと同様とすることとしたものであります。また、中央病院において、この処遇改善を実施するために要する金額は、月962万円であり、入院患者一人当たりの負担額は、3割負担の患者の場合1日当たり246円となっております。

【更 問】

 こうした制度の在り方について、健康福祉部長にお伺い致します。

 政府は、看護職員の処遇改善に必要な金額を診療報酬改定の中で確保するとともに、対象となる施設や職種について引き続き限定的とするという制度にしたのではないかと思っています。健康を害して入院をせざるを得ない患者さんの負担が増えるという考え方が中々理解できないところでございます。ましてやこの10月からは、後期高齢者の医療費2割負担も始まっていること、年金の目減り、物価高騰のこの状況などを考えますと、県民、国民の負担ばかりが大きくなると言わざるを得ないところでございます。

 山形県地域医療構想、新公立病院改革ガイドラインや医師の働き方改革、医療法の改正など、地域医療を巡る状況が大きく変化する時代の中にあり、医療従事者の処遇改善はその中でも重要であると考えております。看護職員の処遇改善については、ただ今述べましたような課題がある訳でございますが、県としてどのように考えているのか健康福祉部長にお伺い致します。

4 令和3年度企業局水道用水供給事業の状況と対応について

 次に、令和3年度企業局水道用水供給事業の状況と対応についてお伺い致します。企業管理者の説明によれば、企業局所管の4事業会計の純利益については、①電気事業会計では約26億6,253万円 ②工業用水道事業会計では約1億180万円 ③公営企業資産運用事業会計では約8,314万円 ④水道用水供給事業会計では約8億6,757万円となっており、4事業会計の純利益の合計は約37億1,506万円と報告されており、順調な経営状況であると受け止めています。

 一方、我々に身近な水道用水供給事業について、監査委員からは、将来の水需要想定に基づき効率的な経営を図り、施設・設備の老朽化対策や管路の耐震化、自然災害対応などを確実に進めていくべきと指摘されております。

 振り返ってみますと、平成25年7月に山形県を襲った豪雨により村山広域水道で給水停止に至った事案があります。西川町大井沢地区では、24時間の雨量が当時の過去最大となる212mmに達し、用水施設そのものが直接被害を受けることはなかったものの、水源の寒河江川では濁度が急激に上昇し、西川浄水場において浄水処理を継続することが困難となったことから、受水市町への給水が停止しました。そのため、村山地域の4市2町では最大8日間の断水となるなど広域的に、県民の生活に甚大な影響が発生しました。とりわけ、近年は、気象災害が激甚化する傾向にあり、日本の各地で線状降水帯やゲリラ豪雨などの大雨被害等が頻発しています。山形県においては、令和2年と本年、最上川が増水して大きな被害が発生し、特に本年8月の大雨では置賜地域を中心に河川の氾濫により甚大な被害を受けました。企業局に確認したところでは、綱木川などで過去最大の濁度を記録したと聞いております。

 こうした頻発し激甚化する自然災害に的確に対応していくための方策として、多くのコストと時間が必要なハード整備を今すぐ行うことは容易ではないと思いますが、ひとたび給水停止となれば県民生活に多大な影響が生じます。このような事態を招かないためにも、濁度対策を始めとするソフト面の備えをしっかりと進めていくことが重要であると考えます。そこで、企業局の水道用水供給事業において、これまでどのような対策を講じてきたか、また安定的な水道用水の供給に向けて、今後どのように対応していくのか、企業管理者に伺います。

【企業管理者答弁】

 平成25年度の豪雨により、村山広域水道では寒河江川の原水濁度が平常時は概ね10度以下のところ、3,000度を超えるまで上昇し、給水停止を余儀なくされ広域・長時間にわたる断水が発生しました。  その要因としては、ハード面では浄水処理のための薬品注入機及び沈殿池の能力が不足していたこと、ソフト面では給水が停止した場合に、受水市町間で融通可能な水量を共有していなかったなど、企業局と受水市町間の連携が不足していたことが挙げられます。こうした事態を受け、県では「浄水機能の強化」と「市町村との連携強化」を図るための検討委員会を設置し、ハード、ソフト両面から高濁度対策の検討を行い、平成25年度から具体的な対策を順次実施してきました。

 まずハード対策については、平成25年から28年にかけ、村山広域水道の浄化機能の強化を図るため、①濁りを除去する薬品を従来の2倍注入できるようPAC等の設備を増設しました。②加えて沈殿池の処理量の増加を図るための「沈殿池中間取出し装置」を新設しました。③さらに、浄水工程で大量に発生する汚泥を乾燥させる「天日乾燥床」を13床から18床に増やしたところです。こうしたハード対策を、他の浄水場の処理能力の強化につなげるため、既に定めていた各浄水場の「機器更新計画」を再整備し、高濁度水でも対応可能な設備投資を順次行ってきております。また、ソフト対策については、①浄水に関する知識と事故発生時の対応力を向上させるための「危機管理研修」を充実・実施するとともに、②防災くらし安心部と連携し「断水対策連携マニュアル」を策定し、高濁度水の発生の恐れがある場合、事前に受水市町の配水池に一定の貯水量を確保するとともに、企業局側が給水制限する場合は、市町間で相互に受水量の調整を行う仕組みを構築しました。③さらには、マニュアルに基づく訓練を、受水市町からも参加を得て全ての浄水場において毎年1回実施しております。

 平成25年度以降も豪雨災害は頻発、激甚化しており、令和2年7月豪雨では村山広域水道において5,000度を、今年8月の豪雨では置賜広域水道で1,900度を超え、それぞれ過去最高の濁度を記録しましたが、ハード、ソフト両面での備えを着実に実施してきたことで、水道用水の供給を継続することができました。広域水道は、県民生活にとりまして最も重要なライフラインの一つでありますので、ハード、ソフト両面での対策を進めることで、危機管理の対応力を高め、安全で安定的な水道用水の供給に万全を期してまいります。

【質 問】

5 水道広域化推進プラン策定に向けた現在の状況について 

 次に、水道広域化推進プラン策定に向けた現在の状況についてお伺い致します。ただ今、水道用水供給事業者としての企業局の対応についてお聞きいたしましたが、県民に水道水を届ける市町村などの事業者も多くの課題を抱えているものと認識致しております。人口減少や水道施設老朽化への対応が待ったなしの状況であり、今後、経営の更なる効率化が求められています。そのため大きな方向性として水道の広域化が継続して議論されてきました。広域化につきましては、県では平成29年度に策定した「山形県水道ビジョン」の中でも有効手段と位置づけ、県等の方向性を示しているところでございます。

 また、国においても広域化を促進するため、今年度中の「広域化推進プラン」の策定が、都道府県に要請されております。6月定例会でもお聞き致したところでございますが、県では、広域化に向けた具体的な検討の場として、県内4地域で「山形県水道事業広域連携検討会」を立ち上げ、令和3年度も委託によるシミュレーションを実施するなどして、検討会での議論を進めてきたと認識致しております。

 そこで、令和3年度を含め、検討会のこれまでの開催状況と、議論されている内容、さらに広域化に係る国の交付金について最大限の活用を目指していくべきと考えますが、そうした視点にたってプランの策定が進んでいるのか、防災くらし安心部長にお伺い致します。

【防災くらし安心部長答弁】

 県では、水道事業の基盤強化を目的とした広域連携を推進するため、県内4地域ごとに、市町村等の水道事業者、水道用水供給事業者である県企業局、「広域連携の推進役」となる防災くらし安心部で構成する「山形県水道事業広域連携検討会」を、平成30年11月に立ち上げ、「水道広域化推進プラン」の策定に向けた検討を重ねてきたところです。令和3年度の17回を含め、令和4年9月末までに合計108回開催しております。

 検討会では、平成30年度に、将来の見通しとして、急激な人口減少や水需要の減少に伴う料金収入の減少、水道施設の更新費用の増大、水道職員数の減少等を想定し、市町村等の水道事業者がこのまま水道事業を単独で継続した場合、水道経営が大変厳しいものになるとの認識を共有したところです。そのうえで、各地域で時期に差はありますが、平成30年度から令和2年度までの間で、経営の一体化や施設の共同利用、システムの共通化など、どのような連携であれば効果があるのかについて、様々な条件を設定し、シミュレーションを実施しております。

 令和3年度には、財源についてより精緻なシミュレーションを実施するとともに、専門家の御意見もいただきながら、各地域における水源、地形及び人口等の要因を踏まえた議論を進めてきました。その結果、①施設の共同利用等のハード面での連携、②資材等の共同購入等のソフト面での連携、③広域化による一体的な経営など、それぞれの地域で目指すべき方向性が見えてきたところです。現在は、県内4地域ごとの広域化の推進方針を「水道広域化推進プラン」にどのように記載していくか、市町村等と最終的な協議を行っているところです。

 一方、広域化による施設の統廃合や老朽化・耐震化対策には莫大な費用を要することから、財源として政府の交付金を最大限活用することは、水道経営にとって極めて有効であります。政府では水道事業の広域化に向け、令和16年度までの時限措置として原則10年間活用できる交付金を準備しております。市町村等がこの交付金を活用するには、「水道広域化推進プラン」に具体的な広域化の方向性を記載することが必要となるため、県としては、市町村等が必要な交付金を十分に活用できるよう、このプランを今年度内に策定したいと考えております。いずれにしましても、県としましては、県民の皆様に安全で安心な水を安定的に供給できるよう、市町村等の事業者と連携しながら、しっかりと取り組んでまいります。

【質 問】

6 本県における環境教育の現状と今後の取組みについて

 次に、本県における環境教育の現状と今後の取組みについてお伺い致します。去る7月の下旬、地元のコミュニティ振興会で長年続けている「水の旅」という水の大切さや環境を守ることについて、魚のつかみ取りや水槽での展示をしながら、子どもたちと楽しむイベントに参加致しました。そのことをTwitterに投稿したのですが、これが後に大炎上するという初めての経験を致しました。私の写真付き投稿の10日後くらいに、どなたかは全く分かりませんが、同じイベントだと思われるTwitter投稿があり、用水路を堰き止めたつかみ取りスペースに、アメリカザリガニと金魚を放流した動画が添付されていたのです。アメリカザリガニが外来生物で生態系に多大な悪影響を及ぼしていることは私も知っていますが、挨拶の後すぐに中座して、その場でのそのようなことがあったことは全く知らずに、8月の後半になって大炎上となったのです。その後、ジオパーク事務局の指導員から、外来種などの状況や環境保全に関する講話をお聞きして、自分の無知さに驚いた次第です。あまりに勉強不足の自分を大いに反省しながら、環境教育の状況についてお伺い致すものでございます。

 私たちは、言うまでもなく地球の環境の中で生きています。大気、水、土、生物が互いにつながり、それぞれの地域で環境を形づくっています。その環境からの大きな恵みに支えられて、初めて健康で文化的な生活を送ることができています。一方で、私たちの日々の生活や経済活動は自然環境に大きな負荷を与えてきたことも事実です。地球温暖化の問題をはじめ海洋プラスチックごみ汚染、生物多様性の損失などの環境問題が、世界中で、また、本県においても深刻さを増しているものと考えます。こうした環境問題を改善するためには、ライフスタイルを見直し、環境に配慮したものへと転換していくことが必要です。つまり、一人ひとりが人間と環境との関わりについて理解を深め、環境に配慮した生活や責任ある行動をとることが、今まさに求められており、環境教育の重要性はますます高まってきていると言わなければなりません。外来生物の問題やゴミの減量・リサイクルさらには水資源の保全、カーボンニュートラルなど、幅広く環境について学べる機会を提供し、環境問題を「自分ごと」として捉え、行動していくための環境教育に、より一層取り組んでいく必要があると考えるところでございます。

 そこで、本県の環境教育における令和3年度を含めたこれまでの取組状況はどうか、そして環境教育における課題をどう認識し、今後どのように取り組んでいくのか、環境エネルギー部長にお伺いします。

【環境エネルギー部長答弁】

 令和3年3月に策定した「第4次山形県環境計画」において、「持続的発展が可能な豊かで美しい山形県」を構築していくには「人づくり」が全ての基盤であるとしていることから、環境教育をすべての施策にかかる重要施策と位置付け、学習機会の提供と普及啓発等に取り組んでおります。

 まず、学習機会の提供については、県内唯一の環境分野の試験研究機関である環境科学研究センターを環境教育の拠点として、環境に関する相談対応や環境教室をはじめ、親子で楽しむ環境科学体験デー、水生生物調査などを実施しており、昨年度は小中学生を中心に延べ7,400名の方々に参加していただいたところです。また、県では高校・大学生を対象としてSDGsの中でも環境分野をテーマとしたワークショップを開催し、昨年度は19校700名の参加をいただきました。

 次に普及啓発については、スマートフォン対応のサイト「環境情報やまがた」を作成し、環境保全に関する高校生の取組みや、カーボンニュートラルをわかりやすく学べる計7回のオンライン講座等の情報を提供するとともに、昨年度から開始したSNS「つなぐ環境やまがた」を活用し、広く県民に向け身近な環境情報をタイムリーに発信しているほか、本県出身のYouTuberを起用した動画を制作した結果、今年3月からの再生回数が5,000回を超えるなど環境に関する理解が進んでいるものと考えております。

 環境教育の内容は多岐に渡り、また年代毎に興味・関心も異なるため多様なニーズへの対応が課題であり、さらに次代をけん引する若者たちが環境に関心を持ち、率先して保全等に向けた行動を起こすよう育成し活躍できる環境づくりが必要と考えております。今年度から新たに始めた学生環境ボランティア制度は、意欲のある県内の大学生26名を「やまがたカーボンニュートラル・サポーター」、通称「やまカボ・サポーター」として任命し、「やまがた環境展」など県内各地の環境イベントで普及啓発活動を担っていただいており、今後さらに活動の場を提供し、環境教育の担い手として活躍できるよう取り組んでまいります。

 さらには、若者世代はもちろん、あらゆる世代に対し、気候変動対策や海洋プラスチック問題、生物多様性を守り・活かす自然共生社会の構築など、多様なニーズにきめ細かに応えられるよう環境教室のメニューを充実するとともに、ホームページやSNSを活用した情報発信を強化していきたいと考えております。

 今年度制定を予定している「山形県脱炭素社会推進条例(仮称)」においても、「脱炭素の学び・人材育成」を脱炭素社会の実現を目指すための取組みの柱の1つとして盛り込むよう検討を進めており、これらにより環境問題を「自分ごと」として捉え行動できる人材の育成に向け、環境教育・学習のさらなる推進にしっかりと取り組んでまいります。

2022年9月定例会最終日10月7日 反対討論述べる

請願26号・28号「日本政府に核兵器禁止条約の署名及び批准並びに締約国会議へオブザーバーとして参加することを国に求める意見書の提出について」不採択とする委員長報告に対する【反対討論】

県政クラブを代表いたしまして、ただ今議題になっております、「日本政府に核兵器禁止条約の署名及び批准並びに締約国会議へオブザーバーとして参加することを国に求める意見書の提出について」提出された請願26号並びに同趣旨の28号は、極めて願意妥当とする立場から、これを不採択とする総務常任委員長報告に反対の立場から討論申し上げます。

世界で唯一の被爆国である我が国は、本年、被爆77周年を迎えました。去る8月6日及び9日、広島、長崎におきまして二度とあってはならない核の使用を、悲痛な叫びとして世界に発信されたことは記憶に新しいところでございます。特に私は、小学生の平和への願いを込めたスピーチに涙を流しながら、この子たちの時代に核を残してはならないと、強く強く思いを深めたところでございます。

今年2月24日、ロシアによる蛮行ウクライナ侵略戦争が始まって、すでに7ヶ月が過ぎました。この間、ウクライナの町並みはことごとく破壊され、人々は国を追われ長い避難生活を強いられています。子供たちから笑顔を奪い、安心して遊び、学ぶことすら奪われた状況を絶対に許すわけにはいきません。さらには、プーチンロシア大統領は、核の使用も有りうるような、あってはならない発言をするなど、世界を恐怖にさらしている行為は、断じて許すことはできないものであります。

岸田内閣総理大臣も、8月6日広島平和式典において「被爆地・広島出身の総理大臣として、核兵器による威嚇が行われ、核兵器の使用すらも現実の問題として顕在化している今こそ、広島の地から『核兵器使用の惨禍を繰り返してはならない』と、声を大にして世界の人々に訴える」と述べ「核兵器のない世界へ」という著書も発表し、実現に努めていくと、総理大臣として繰り返し述べています。

もう一度申し上げます。私たちは、次の時代を生き抜いていく、子供たち、孫たち、ひ孫たちの時代に核の脅威を残したまま、引き継ぐことなど許されないのです。

以上の点を踏まえ、「日本政府に核兵器禁止条約の署名及び批准並びに締約国会議へオブザーバーとして参加することを国に求める意見書の提出について」提出された請願26号並びに同趣旨の28号は採択すべきものであり、不採択とする総務常任委員長の報告には、強く反対するものであります。山形県並びに山形県民にとって、日本国民にとって、緊急性を要する請願であり、これを不採択にするなど言語道断と言わざるを得ないことを付して、反対討論と致します。

被爆77周年原水爆禁止山形県平和大会

黙祷

【立憲民主党山形県総支部連合会 挨拶】

被爆七十七周年原水爆禁止山形県平和大会が、日本のアンデルセンと称された童話作家「浜田広介」を育んだ「まほろばの里」高畠町で開催されますことに、心よりの敬意と感謝を申し上げます。 

さて、新型コロナウイルス感染症発症以来、これまでの当たり前の日常が奪われ、社会活動が一変するという、まさに地球的規模のパンデミックに襲われました。現在、我が国におきましては、第七派に入ったと言われ、重症化率は低いとは言われながらも、昨日、過去最高の十九万五千人を超える感染者が確認されました。まさに未だ収束の道筋は見えない状況と言わざるを得ません。

そうした中におきまして、今年二月二十四日、ロシアによるウクライナ侵略戦争が始まって、すでに5ヶ月がたちます。この間、ウクライナの町並みはことごとく破壊され、人々は国を追われ長い避難生活を強いられています。子供たちから笑顔を奪い、安心して遊び、学ぶことすら奪われた状況を絶対に許すわけにはいきません。さらには、プーチンロシア大統領は、核の使用も有りうるような、あってはならない発言をするなど、世界を恐怖にさらしている行為は、断じて許すことはできないものであり、強く強く断じるものでございます。また、「核共有」や「敵基地攻撃能力保持」「自衛隊の9条明記」などなど、こうした情勢に便乗するかのような政治家のあるまじき発言が相次ぐことへ、不快感を覚えるのは、私だけなのでしょうか。

さて、先に行われました参議院議員選挙におきましては、私たち立憲民主党に対しまして、大きなお力を賜りましたこと、改めまして深く感謝申し上げますと共に、議席を減らす結果になりましたこと、心よりお詫び申し上げなければなりません。この度の結果を真摯に受け止め、平和を希求する政党として、一から再スタートする覚悟でございます。皆様方の変わらぬご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。

一方、選挙戦の中で、本来争点にならなければいけない「平和」に関する問題は、自公政権と補完勢力があいまいにしたまま、平和をないがしろにする勢力が三分の二を占める結果となったことは、我が国憲法が世界に誇る「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の原則を脅かす、制定以降、最も危うい政治状況と言わざるを得ません。

しかしながら、私たちはこうした状況を跳ね返し、平和憲法を守り抜き、世界で唯一の被爆国として、我が国と同じ惨状を経験する国が未来永劫あってはならないことを、求め続けなければなりません。「ノーモア広島」「ノーモア長崎」そして「ノーモア福島」を叫び続け、子どもたち、孫たち、さらにはひ孫たちの時代に、核のない今よりもっと平和な地球を引継がなければなりません。

結びに、「被爆七十七周年原水爆禁止山形県平和大会」に結集されました仲間の皆様方のご活躍によりまして、一日も早く核のない平和な地球になりますことを、心より強くご祈念申し上げまして、立憲民主党山形県総支部連合会を代表致しましてのご挨拶とさせて頂きます。

 令和四年七月二十三日 立憲民主党山形県総支部連合会 石黒 覚  

2022年6月定例会◆代表質問◆6月7日

 県政クラブの石黒覚でございます。先日、新型コロナウイルス感染症発症以来、初めて「やまぎん県民ホール」にて、佐渡(さど)(ゆたか)指揮、反田(そりた)(きょう)(へい)ピアノ、新日本フィルハーモニー交響楽団50周年記念演奏会を聴くことができました。2時間、感動に震えながら、人が生きていく上でなくてはならないものの一つに、心震える芸術や文化、スポーツ、大好きな趣味や学びが欠かせないことを、改めて深く考えたところでございます。コロナ禍で疲弊しきった生活から、普通の生活ができるようになり、人の心の栄養が自由に取れる日が、一日も早く来るように人類の英知を結集しなければならないと、強く思った次第でございます。

 戦争をすることなど、許されないし、そんなことをしている時ではないのです。世界中の子供たちが、笑顔で歌い、グランドを走り、学び、家族と平和に暮らすことができる社会を、そして山形県を創るために、大いなる英知の結集で、本県の未来を切り拓いていかなければならないことを、肝に銘じながら、質問に入りたいと存じます。

【質 問】

1 沖縄復帰50周年と本県戦没者慰霊等について 

 沖縄が返還されたのは、1972年、昭和47年5月15日、太平洋戦争終戦から27年目のことでございました。今年は沖縄復帰から50年目の年となります。

 太平洋戦争最後の激戦地沖縄は、戦争など二度とあってはならないことを後世に伝えるには、あまりにも悲惨で、あまりにも多くの尊い命を犠牲にしたものと、改めまして全ての犠牲者に衷心より深く哀悼の誠を、そして戦後もその惨状を記憶に抱えながら生き続けてこられた方々に、ご心中をお察し申し上げる次第でございます。

 さて、先般、地元紙の特集記事でも触れられておりましたが、沖縄県と本県とは、実に深くかかわってきたご縁がある訳でございます。明治14年に第2代沖縄県令につかれた、米沢藩最後の藩主上杉(もち)(のり)県令は、志ある若者を東京に送り県費で学ばせる制度を創設し、この教育施策は後の沖縄に大きな実を結び現在に至ると言われています。こうした(もち)(のり)の施策を背景に、ほぼ私と同年代の米沢市の金城(きんじょう)利彦(としひこ)医師は、仙台で学び沖縄に貢献された後、縁あって本県の病院で診療にあたり、公立置賜総合病院副院長も務めた方でございます。

 一方、米沢市出身の我が国を代表する建築家、伊東忠太東京帝国大学教授は、大正12年に決定した首里城取壊しの危機を回避するのに尽力されたと伝えられております。この時の伊東忠太氏と共同研究者であった鎌倉芳太郎氏の調査・研究の功績が、太平洋戦争で焼失した首里城の再建に繋がり、記憶に新しい2019年10月31日に再び焼失した首里城が再建される原動力となっていることは間違いないところでございます。

 また、米沢出身の織物研究家、田中(たなか)(とし)()氏は昭和14年から沖縄織物の調査・研究を始め、氏が残された研究成果は、戦争を経てもなお沖縄織物が見事に現在に伝えられる原点になったと言われています。

 さらには、7年前、我が国で安全保障のあり方について大きく揺れていた時に、自民党の若手国会議員が「マスコミを懲らしめるためには広告収入がなくなることが一番だ」と発言したことに対して、報道・言論の自由に対する冒涜だとして、2015年6月28日付朝刊1面に「言論(げんろん)封殺(ふうさつ)の暴挙 許すな」の見出しで、山形新聞寒河江(さがえ)浩二(こうじ)主筆・社長による緊急声明が掲載されました。琉球新報は、上杉(もち)(のり)県令による県費留学制度の1回生で、のちに社長になる太田(おおた)朝敷(ちょうふ)が創刊に関わり現在に至る新聞社でありますが、2015年当時、琉球新報会長だった富田(とみた)(じゅん)(いち)氏は「沖縄の言論は山形に救われた」と、日本新聞協会役員退任の挨拶で山形新聞の緊急声明に触れられて、大いに勇気づけられたと謝意を示されたと聞いております。

 戦後77年、沖縄復帰から50年経過した今もなお沖縄には戦争の影響が色濃く残っています。昨今、沖縄の地で遺骨が混じる土砂を採取し、埋め立て等に使用することに反対する請願等が全国的に議論され、本県議会でも継続審査になっている状況もございます。

 先に述べました本県と沖縄との深いつながりの中で、さらに言及すれば、太平洋戦争末期、山形市の霞城公園を拠点としていた陸軍歩兵第32連隊・別名「霞城連隊」は、3千名のうち9割が戦死しておりますが、連隊の最後の地は、沖縄県糸満市でありました。その地には、1965年に本県が建立した「山形の塔」並びに残った戦友たちが建立した「鎮魂の碑」があり、私も5年半前に、手を合わせる機会がありました。世界平和を願う取組みでもある本県の戦没者慰霊については、戦争の惨状を繰り返すロシアの侵略行為を許してはならない今だからこそ、その歴史の重みとともに次の世代に受け継いでいくことが重要だと考えますが、吉村知事のご所見をお伺いいたしたいと存じます。

【知事答弁】

 先の大戦では、国内外で多くの方が亡くなられました。本県出身者につきましても、3万8千余名もの方々が尊い命を失い、このうち、国内で唯一地上戦が繰り広げられた沖縄では約800名の方々が亡くなられております。

 本県では、犠牲となられた戦没者の方々を追悼するとともに、戦争の悲惨さや平和の大切さを後世に継承するため、例年、春には山形県戦没者墓地「千歳山霊苑」拝礼式を、そして、秋には山形県戦没者追悼式、また、御質問でも触れられております沖縄慰霊碑「山形の塔」での慰霊祭を挙行しているところであります。

 「山形の塔」は、沖縄及び海外諸地域で戦没された本県ゆかりの方々のご冥福をお祈りするとともに、自らの命に代えて祖国日本の平和の礎となられた戦没者の方々を永く後世に語り継ぐために建立されたものであります。沖縄の本土復帰以降、コロナ禍により昨年と一昨年は中止となりましたが、建立地であります糸満市など現地の皆様の多大なる御協力のもと、毎年慰霊祭を開催してまいりました。戦後70年にあたる平成27年には、私自身も現地に赴きまして、花を手向けて戦没者の方々を追悼するとともに、平和への思いを次の世代に継承することをお誓い申し上げてまいりました。

 終戦から既に77年の時が過ぎようとしておりますが、たとえどれほど年月が経とうとも、我が国に計り知れない犠牲を生んだ悲惨な戦争の歴史があったこと、そして、今日の平和と繁栄が戦没者の方々の尊い犠牲の上に築かれていることを、決して忘れてはならないと考えております。

 現在、既に3か月以上に及ぶロシアのウクライナ侵攻により、未来ある子供達を含め多くの尊い命が奪われております。愛する故郷を追われる人々の姿が連日のように報じられており、私も心を痛めているところであります。我が国では、先の大戦を身を以って体験された方々が次第に少なくなり、記憶の風化も懸念されるところですが、このような時代だからこそ、改めて私たちすべての県民が戦没者の方々の思いに心を寄せ、平和の尊さを深く認識することが大切だと考えております。

 戦争の無い平和な世界を希求する声がかつてなく高まっている中で、これからの山形県、そして日本の未来を担う若い世代に平和への思いを継承していくため、将来にわたって戦没者慰霊の取組みを継続してまいりますとともに、県民の皆様がいつまでも平和で安心して暮らすことができる社会を守り続けていくために、これからも最善を尽くしてまいります。

【質 問】

2 新型コロナウイルス感染症対策のこれまでの取組みと今後の方向について

 次に、新型コロナウイルス感染症のこれまでの取組みと今後の方向についてお伺いいたしたいと存じます。

 約2年半前の2019年12月に中国武漢で発症したとされる新型コロナウイルス感染症は、人類と様々なウイルスによる感染症との長い闘いの歴史を振り返っても、極めて深刻な事態を引き起こし、世界中の国々で多くの犠牲者を数える状況でございます。6月6日現在、世界229ヵ国で発生し、感染者数は5億3千万人を超え、死亡者数は6百30万人を越えました。我が国におきましては、感染者数が8百94万人を超え、死亡者数は3万人を超えています。そして、本県におきましては、感染者数が28,908人となり、死亡者数が94人となっています。

 こうした状況の中で、本県のこれまでの新型コロナウイルス感染症に対する対応は、私は総じて評価できるものであったと認識いたしております。個別の対応は申し上げませんが、吉村知事の県民の皆様方に対する発信力は、不安な日常へ少しでも安心感を届けてきたものと存じます。また、医療従事者を中心とする方々への感謝や支援体制の構築、療養施設確保への迅速な対応、さらには経済支援対策の機敏な対応など、日常生活や社会情勢の不安を少しでも取り除くことに最善策を講じてきたものと思います。

 今定例会には、総額53億6千万円の補正予算のうち、コロナ禍における原油価格・物価高騰等への対応として、45億46百万円が提案されました。また、ウィズコロナでのチャーター便受入支援など、ウィズコロナ・ポストコロナへの対応として2億52百万円、医療機関等での資機材整備に対する助成など、新型コロナウイルス感染症への対応として5億32百万円が計上されています。

国におきましては、いよいよこの6月から海外からの旅行客の受け入れなど、ウィズコロナの政策展開に大きく舵を切る方向にあるようでございます。

 吉村知事におかれましては、直近の記者会見等において、基本的感染防止対策をしっかり進めながら、経済回復へ向けた施策展開が急務との考えをお示しされたようでございます。

今回の補正予算案は、そうした考え方の上に立って提案されたものと受け止めておりますが、経済回復を目指す上でも、感染症対策をどうしていくかは非常に重要だと考えます。改めまして吉村知事の新型コロナウイルス感染症対策のこれまでの経過と今後の方向について、お伺いを申し上げたいと存じます。

【知事答弁】

県内で新型コロナウイルス感染症が初めて確認されてから2年2か月が過ぎました。この間、私は、県内の感染状況を見極め、県内経済の動向も踏まえながら、時機を逃さず、効果的に感染防止対策と経済対策を講じてきたところです。

特に感染が急拡大した局面では、県境を越える移動の自粛や営業時間短縮など、県民や事業者の皆様の日常生活や経済活動に一定の制約をお願いすることで、感染拡大の抑制に努めてまいりました。

県内第1波では県境検温、第2波では「県民泊まって元気キャンペーン」などの一時停止、従来株とアルファ株が拡大した第3波・第4波では、県独自の緊急事態宣言や市町村との合同要請を発出するとともに、デルタ株が拡大した第5波では、感染拡大防止特別集中期間を設定し、短期集中の感染防止対策を実施するなどの取組みを行ってまいりました。

また、オミクロン株が急拡大した第6波では、県内初となるまん延防止等重点措置を実施するとともに、措置終了後も、リバウンド防止特別対策やクラスター抑制重点対策に取り組んだところです。

このような取組みの結果、本県では、これまで、医療崩壊などの最悪の事態を招くことなく、全国的にも低い水準で感染拡大を抑制することができております。これもひとえに、県民の皆様や事業者の皆様の御協力、医療従事者の皆様の御尽力のおかげであり、改めて御礼を申し上げます。

今後の取組みの方向につきましては、現在の主流であるオミクロン株は、デルタ株に比べ感染性・伝播性は強いものの、入院・重症化リスクは低いとの科学的知見が得られております。県内でも同様の傾向であり、多い時には1日に100名から200名台、最近では二桁台の感染者が確認される一方で、病床使用率は低い水準で推移しており、直ちに医療提供体制がひっ迫するおそれは少ないものと捉えております。

このため、私は、クラスター抑制重点対策を終了した3月下旬から当面の間を、感染再拡大を最大限に警戒しつつ、可能な限り日常生活を取り戻す期間として位置づけております。今後も引き続き、しっかりと感染防止対策を講じながら、県内経済の早期回復に努めてまいりたいと考えております。

感染防止対策が経済対策の大前提となりますので、市町村や関係機関と連携し、対策の要となるワクチン接種の推進や、無料PCR等検査などによる陽性者の早期発見、基本的な感染防止対策や業種別ガイドライン遵守の徹底の呼びかけなど、第6波の収束に向けた取組みをしっかりと進めてまいります。

【質問】

3 コロナ禍における生活困窮者への支援について

 次に、コロナ禍における生活困窮者への支援について、お伺いいたしたいと存じます。

 新型コロナウイルス感染症が本県で初めて確認されたのは、2020年3月31日でございました。2年2ヵ月ほど経過する中で、後遺症に悩む方々の報道もございますが、コロナ禍における県民の方々の生活状況、特に、生活に困窮されている方々の現状をどのように把握され、どのような支援が行われておられるのか、改めましてお伺いをいたしておきたいと存じます。

 私の所にも、時々、苦しい生活を訴えるメールなどが届いてまいります。コロナに起因するデータについては、中々集計が難しいものだと思いますが、例えば、私の住んでいる酒田市の状況を、社会福祉協議会にお尋ねをいたしましたところ「生活自立支援センターさかた」における新規相談者数実績の状況が、平成30年度208件、令和元年度218件、令和2年度490件、令和3年度249件、となっております。単純に判断できないものと思いますが、明らかに新型コロナが発症した令和2年度は相談が倍増している状況がございます。また、生活福祉資金緊急小口資金申請状況(特例含む)をみますと、平成30年度15件、令和元年度22件、令和2年度249件となっております。こうした状況の中、令和3年度から「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」の制度が始まり、酒田市では令和3年度中に、延べ383件の相談等に対応しております。

 また、4月下旬、感染後の後遺症に悩まれている方々の実態調査を始められたとの報道がございました。取組みの姿勢を大いに評価いたすところですが、生活困窮者の方々の中にも、後遺症により職場に復帰できないなどの状況があるのではないでしょうか。コロナ禍が長期化する中、生活に困窮する方々の状況をどのように捉え、支援をされておられるのか、さらに今後どのような方向で支援していかなければならないとお考えか、健康福祉部長にお伺いいたします。

【健康福祉部長答弁】

 新型コロナの発生以降、外出自粛や経済活動の停滞により、飲食業や宿泊・観光事業者をはじめ、幅広い業種の事業者が売上の減少等深刻な影響を受けたこともあり、失業や休業を余儀なくされたり、業務の縮小等で収入減となった方が増加しました。

 県では、市町村や社会福祉協議会等と連携し、各地域における自立相談支援機関での相談等を通して、生活に困窮されている方の支援に努めてまいりました。県内の自立相談支援機関における新規相談件数は、令和2年度が約5,700件、令和3年度は約3,400件で、コロナ禍前である令和元年度の約2,400件と比較していずれも増加しており、県民生活へのコロナ禍の影響が大きいものであることがうかがえます。

 また、生活に困窮されている方を支援するため、市町村等と連携し、生活福祉資金の特例貸付や新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金による支援等の取組みに加え、県独自の施策として、特例貸付を受けた世帯への県産米の提供等も実施してまいりました。なお、特例貸付は、令和4年4月末までの累計で約8,500件、約34億円の貸付を決定しており、自立支援金につきましては、3月末までに約6,500万円が支給済みとなっております。

 また、新型コロナの影響に加え、今般、物価高騰等に対応した政府の総合緊急対策において生活困窮者支援策が示されたことを踏まえ、6月補正予算において、自立支援金の申請期限延長への対応に加え、独自に県産米の提供やフードバンク活動を支援するための経費を計上したところです。

 県としましては、今後も市町村等と連携し、生活困窮者に対する緊急的な支援を継続するほか、今後償還時期を迎える特例貸付に関する猶予の取扱いを政府に対し提案するなど、実状に応じた支援に努めてまいります。

【質問】


4 本県エネルギー政策の進捗状況と目標達成に向けた取組みについて

 次に、本県エネルギー政策の進捗状況と目標達成に向けた取組みについて、お伺いいたしたいと存じます。

 吉村知事は2020年8月6日に開催されました全国知事会において「ゼロカーボンやまがた2050(ニーゼロゴーゼロ)」宣言をされております。

 政府においては、2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会を目指す」ことを宣言するとともに、2021年4月には、  2030年度の新たな温室効果ガス排出削減目標として 2013年度比で46%削減する方針を示し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けていくという目標を掲げられました。

 また、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画において、再生可能エネルギーに関し、「主力電源として最優先の原則の下で最大限の導入に取り組む」と明記されております。今般のロシアによるウクライナ侵略のような事態も踏まえますと、エネルギー安全保障の確保の観点からも再生可能エネルギーの活用は極めて重要であることは、申し上げるまでもないところでございます。

 本県では、東日本大震災による福島第一原発事故を踏まえ吉村美栄子知事が、当時滋賀県知事でございました嘉田由紀子知事とともに「卒原発社会」の実現を目指すこととし、平成24年に「山形県エネルギー戦略」を策定し、2030年度までの再生可能エネルギーの開発目標を約100万kWと掲げ、これまで順調に推移していると認識いたしております。

 一方で、電源や熱源の種別ごとの進捗には、ばらつきが見られることも事実ではないかと考えます。

 特に庄内地域では、洋上風力発電導入の検討が進められており、昨年9月には遊佐町沖が「有望な区域」に選定され、今年1月には政府が主催する法定協議会が設置されたところでございます。再生可能エネルギーの賦存量をみると、地域によるばらつきもさることながら、太陽光、風力、地熱などの種別間のばらつきもあり、一律に開発・導入を進めるのは難しい面もあるため、各地域のポテンシャルを活かしながら取組みを進めていく必要があるものと思われます。

 本県エネルギー戦略に掲げる開発目標について、最新の進捗状況と、目標達成に向けた取組みについて、環境エネルギー部長にお伺いいたしたいと存じます。

【環境エネルギー部長答弁】

 本県では東日本大震災を契機として、平成24年3月に全国に先駆け「山形県エネルギー戦略」を策定し、20年後の令和12年度までに本県の目指すべき姿の一つに「再生可能エネルギーの供給基地化」を掲げ、再エネ資源を活用した新たな電源の開発を積極的に進めてまいりました。この結果、令和12年度末までの再エネの開発目標101.5万kWに対する令和2年度末の導入実績は、58万kW、目標の57.1%となり、また、令和3年度末については現在公表に向けた精査を行っておりますけれども、目標の約65%程度まで進捗する見込みとなっており、全体としては概ね順調に推移しているものと認識しております。

 県内の豊富な森林資源を活用したバイオマス発電や庄内地域の良好な風況を活用した風力発電など、これまで地域ごとの特性を活かして導入を進めてきておりますが、エネルギー種別毎に見ると、太陽光やバイオマス発電が順調である一方、風力や地熱発電は低調で、種別毎のバランスの取れた導入促進が課題となっております。

 このため、開発目標達成に向けては、今後、大規模な導入が期待できる洋上風力発電をはじめとした大規模事業の県内展開に加え、既存の温泉資源に配慮した技術を活用する地熱発電、陸上風力や中小水力発電など、県内各地に豊かに賦存する多様な再生エネルギーを最大限に活かした取組みを更に促進してまいります。

 また、最近の資源・エネルギー価格高騰の影響など、エネルギーを取り巻く環境が大きく変化する中で再エネへの期待がより一層高まっております。このため、こうした情勢の変化や開発目標の進捗状況、更には、カーボンニュートラル時代を見据え新たな資源として位置付けられている水素の社会実装や、蓄電池やEV等の分散型エネルギー資源の有効活用などを念頭に、来年度予定している「後期エネルギー政策推進プログラム」の見直しに適切に反映させて、再エネ導入拡大に向けてしっかりと取組みを進めてまいります。

【質問】


5 持続可能な地域医療体制を確保するための地域医療構想の推進について

 次に、持続可能な地域医療体制を確保するための地域医療構想の推進についてお伺いいたしたいと存じます。

 地域医療構想については、医療機関を中心に新型コロナの感染症への対応に全力を注いでいるため、実質的な議論が停滞している状況となっていましたが、令和4年3月に厚生労働省からコロナ禍においても構想の実現に向けた取組みを進めるよう通知されたところでございます。

 同時に、総務省からも公立病院経営強化の推進について通知され、「持続可能な地域医療提供体制を確保するための公立病院経営強化ガイドライン」が示されました。

 当ガイドラインを解説している記事によりますと、公立病院経営強化の必要性について、最大のポイントは、従前のガイドラインが「赤字解消」を主目的とする消極的な内容であったのに対し、「経営力強化」「機能強化」を目指す積極的な内容であるとされております。これまでも、公立病院は再編・ネットワーク化、経営形態の見直しなどに取り組んできましたが、医師・看護師等の不足、人口減少・少子高齢化に伴う医療需要の変化により、依然として、持続可能な経営を確保しきれない病院も多いとされています。また、コロナ対応に公立病院が中核的な役割を果たし、感染症拡大時における公立病院の果たす役割の重要性が強調されているようであります。

 そして、このガイドラインに沿った地方公共団体における公立病院経営強化プランは、令和4年度又は令和5年度中に策定し、期間を策定年度又はその次年度から令和9年度を標準とするとあります。「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者となり、医療需要が大きく変化する2025年問題が深刻に受けとめられ平成26年に「医療介護総合確保推進法」が成立しましたが、その目指すべき2025年まであと3年という現在、我が国における持続可能な地域医療提供体制の確保は、待ったなしの状況でございます。

 「公立病院経営強化プランに求められる内容」は、①役割・機能の最適化と連携の強化 ②医師・看護師等の確保と働き方改革 ③経営形態の見直し ④新興感染症の感染拡大時に備えた平時からの取組み ⑤施設・設備の最適化 ⑥経営の効率化 とあります。

 さらには、「都道府県の役割・責任の強化」では、都道府県が、市町村のプラン策定や公立病院の施設の新設・建替等にあたり、地域医療構想との整合性等について積極的に助言とあり、医療資源が比較的充実した都道府県病院等が、中小規模の公立病院等との連携・支援を強化していくことが重要としております。

 県は、置賜広域病院企業団や地方独立行政法人山形県・酒田市病院機構の構成団体の一員であり、加えて病院等への指導助言を担うという重大な役割を果たしていかなければなりません。同時に、県立病院の「資金不足等解消計画」に基づく経営改善も進めなければなりません。

 こうした状況の中で、「公立病院経営強化プラン」の策定にあたりましては、まず重要になるのは進行中の「第7次山形県保健医療計画」や「山形県地域医療構想」等、県の各種の計画、施策と整合性を図りながら、特に山形県地域医療構想についてこれまでの取組みに対する評価を、まずしっかりすることが重要と考えます。また、県内4地域に設置されている地域医療構想調整会議等においては、現場の実態や声をより一層反映させることが必要であり、日本海総合病院を核とした地域医療連携推進法人日本海ヘルスケアネットの先駆的取組みが、政府や都道府県の医療関係者から注目されていることも参考にしながら、地域医療構想の実現に向けた取組みを進めていく必要があると考えます。今後の地域医療構想の推進に向けた考え方について、健康福祉部長にお伺いいたしたいと存じます。

【健康福祉部長答弁】

 県では4つの二次医療圏ごとに地域医療構想調整会議を設置し、関係者の皆様と協議しながら、地域医療構想に示した目指すべき医療提供体制の実現に向けた取組みを進めております。

 これにより、病床機能ごとの病床数につきましては、構想策定時である平成28年9月と令和3年12月時点を比較すると、回復期病床への転換等により急性期病床は829床減少した一方で、回復期は603床増加するなど、一定の成果が上がっているものと認識しております。

 一方、今般、総務省から新たに示された公立病院経営強化ガイドラインにおいては、病院同士の再編・統合を中心とする従来の考え方から、病院間の役割分担や医師派遣等による連携強化を重視する考え方への見直しも示されているところです。

 これらの動きを踏まえ、今後は、各地域の基幹病院に急性期機能を集約し、それ以外の病院等は回復期機能を中心に担うなど、その役割分担を明確化するとともに、基幹病院からの医師や看護師等の派遣など、日本海ヘルスケアネットの取組事例のような、医療資源を有効活用し地域全体で連携する医療提供体制の構築について、地域医療構想調整会議等で協議していく必要があると考えております。加えて、この医療提供体制を実現するためには、今後、病院を設置する地方公共団体が策定する「公立病院経営強化プラン」と地域医療構想との整合性の確保が大変重要となります。県としましては、各病院の経営強化プランが、地域で果たすべき役割や機能を適切に評価・認識し、地域医療構想に沿ったものとなっているかといった観点から、地域医療構想調整会議等において積極的に助言を行いながら、協議を進めてまいりたいと考えております。

 持続可能な医療提供体制の確保に向けて、今後も地域医療構想の進捗状況や課題などに関する情報共有に努め、各地域での積極的な議論を促しながら、地域と一体となって取り組んでまいります。

【質問】

6 水道事業について

 (1) 「水道広域化推進プラン」策定の進捗状況と見通しについて

次に、水道事業についてお伺いいたしたいと存じます。

 まず1点目は、水道広域化推進プラン策定の進捗状況と見通しについてでございます。

 私も、これまで何度となくお尋ねを申し上げて参りましたが、中々難しい課題が多くあり、大変ご苦労をされているものと推察いたします。

 本県では、2018年3月に策定されました『山形県水道ビジョン』におきまして、「人口減少等の課題に対応しながら、県民への安全で安心な水を安定的に届け続ける山形の水道」と示されているように、命の源であります「水」を供給する事業者として、県民皆様方からご負担を頂く「水道料金」をできるだけ低価格でお届けすることも極めて重要な使命であると考えます。

 2018年には、この年の通常国会で「人口減少に伴う水の需要の減少、水道施設の老朽化、深刻化する人材不足等の直面する課題に対応し、水道の基盤の強化を図るため、責務の明確化として、都道府県は水道事業者又は水道用水供給事業者の間の広域的な連携を推進するように努める」とした水道法の改正がなされました。

 総務省が公表しました、令和3年11月30日時点での各都道府県における「水道広域化推進プラン」の策定取組状況をまとめた資料によりますと、既に策定済みの5団体を除く42団体のうち、進捗を示す3つの指標、即ち、「A現状把握」、「B将来見通し」、「C広域化シミュレーション」の全てが完了しているのは3県だけとなっており、本県はそのうちの1県になっております。関係各部署のご努力に敬意を申し上げる次第でございます。

 「水道広域化推進プラン」については、平成31年1月に、総務省並びに厚生労働省から、当時は平成34年度末まで、元号が変わりましたので本年度、令和4年度中に策定するようにとの通知がなされたと記憶いたしております。まさに佳境に入っているものと存じます。「水道広域化推進プラン」には水平・垂直統合等を含む、ブロックごとの工程並びに時期などについても記載されていくものと思いますが、現在の検討状況や進捗について、防災くらし安心部長にお伺いいたしたいと存じます。

【防災くらし安心部長答弁】

 本県の水道事業は、経営基盤が脆弱な小規模事業者が多いことに加え、今後の人口や水需要の減少等により水道事業の経営が一段と厳しくなることが予想されております。

 こうした課題は全国でも共通であり、政府では、経営統合や施設の共同設置、事務の広域的処理等の多様な広域化を推進するため、都道府県を「広域連携の推進役」と位置づけ、令和4年度までに「水道広域化推進プラン」の策定を要請しているところであります。

 「水道広域化推進プラン」には、①水道事業者ごとの経営環境と経営状況に係る現状と将来の見通し、②広域化のパターンごとに将来見通しのシミュレーションと広域化の効果、③今後の広域化に係る推進方針等を記載することとなっており、本県では、県、市町村等の水道事業者、並びに水道用水供給事業者である県企業局で構成する「山形県水道事業広域連携検討会」を県内4地域で立ち上げ、検討を行っております。

 検討会では、経営環境等の将来の見通しとして、急激な人口減少や水需要の減少に伴う料金収入の減少、水道施設の更新費用の増大、水道職員数の減少等を推計・想定し、課題解決のため県内4地域ごとに、広域連携シミュレーションを実施しています。

 その結果、施設の共同利用、資機材の共同購入、広域化による一体的な経営など、それぞれの地域での有効な広域連携の姿や課題が見えてきており、現在、こうした結果についてさらに精緻化を図っているところであります。また、費用削減効果だけでなく、費用に現れない安全性、災害対応、人材育成と技術継承等、多角的な観点から比較検証を行っているところであります。

 県といたしましては、県内4地域の検討会でこうした議論をしっかりと行い、今年度中に「水道広域化推進プラン」を策定したいと考えております。

 (2) 酒田工業用水道の塩水遡上対策の現状と今後の対応について企業管理者

 2点目は、酒田工業用水道の塩水遡上対策の現状と今後の対応について、お伺いいたしたいと存じます。

 さる4月中旬に、酒田にあります企業の前社長様とお会いして、様々なお話をお聞きする機会がございました。

 1985年に設立された当企業は、現在2000名を超える社員を有する、本県では数少ない大企業の一つでございます。

 酒田工業用水道の大口受水企業でもあり、酒田工業用水道を利用いただく30社の企業のうち、半導体を扱う当企業様と苛性ソーダをはじめとする基礎科学製品を製造する企業様の2社で概ね過半の利用をいただいていると聞いております。この2社においては、製品を製造する際に使用する工業用水道に塩分が混じることがあると、生産に影響が生ずるともお聞きしております。しかしながら、近年の気候変動や河川の土砂堆積などの影響で、酒田工業用水道の最上川取水口において、2018年、塩水が遡上し、工業用水の塩分濃度が上昇したことにより、大口受水企業では操業を停止した例もみられたところであります。先ほど申し上げました企業の前社長様との面談では、塩水遡上の緊急対応策の一つとして、上水道でバックアップすることも可能ではないかとのご指摘を頂きました。

 上水道を利用するとなれば、地元の水道事業者である酒田市にも対応が求められてまいります。塩水遡上に伴う企業活動への影響を最小化していくためには、ご指摘の対応策のように多角的な視点から、関係する様々な機関と連携した対応が重要になるものと考えます。

 そこで、県企業局は、これまで酒田工業用水道における塩水遡上に対する対策としてどのように対応してこられたのか、そして今後どのように対策を講じていかれようとしているのか、企業管理者にお伺いいたしたいと存じます。

【企業管理者答弁】

 酒田工業用水道は、昭和37年に市内大浜地区で給水を開始し、現在は酒田市と遊佐町の29事業所に用水を供給しております。

 この工業用水の原水は最上川の河口から8.3キロ上流の地点で取水していますが、これまで平成27年と平成30年の2回、取水口までの塩水遡上が確認されております。気候変動に伴う河川流量の減少や河川環境の変化などが原因と考えられますが、塩水が工業用水に入り込むと、電気の通し易さを示す導電率が急激に上昇し、企業によっては操業に支障が生じます。

 このため、河川流量が減少する時期には、取水口から下流域にかけて塩水遡上状況のモニタリングを1日2回実施し、受水企業に適時情報提供するとともに、取水口までの塩水遡上が予想される場合は、応急対策として取水口の800m上流に取水ポンプを仮設し、受水企業に影響が及ばないよう可能な限りの対応を講じております。

 しかしながら、毎年のように塩水遡上が発生しており、年によっては仮設の取水地点まで遡上することもあり、恒久的な対策が必要になっております。これまで「灌漑排水を利用する案」や「取水口を上流に移設する案」などを検討し、こうした対策の内容について、受水企業に対し定期的なユーザー会議で説明し、意見の聴取などに努めております。しかし、使途や使用水量の違いなどから、受水企業の水質に対するニーズが一様でないことや、多額の工事費に伴う費用負担の考え方も様々なうえ、水利権の調整が現状では困難なことから、いずれも実施が難しい状況にあります。

 工業用水の安定供給は立地環境に係わる重要なインフラ条件であるとの認識のもと、当面はモニタリングの精度を上げながら、企業活動に影響を及ぼさないよう応急対策に万全を期してまいります。併せて、水利権の調整や河川環境の改善に向けて河川管理者との協議を引き続き進めるとともに、受水企業の理解が得られるよう、有効性と経済性が両立する新たな恒久対策についても検討を進めてまいります。

【質問】

7 誘致企業に対するフォローアップについて

次に、誘致企業に対するフォローアップについてお伺いいたしたいと存じます。

地元庄内の誘致企業の経営者と意見交換した際に、企業として抱える課題についてもお聞きすることができました。その中で、いくつか気になる点がございましたので、お伺いいたすものでございます。

 大企業、中小企業問わず、世界経済状況の変化、そしてコロナがもたらした変化が、企業経営に大きな影響を及ぼしたことは言うまでもありませんが、その経営者の企業が誘致を働きかけられた当時は、好条件で行政からの誘致があったそうです。しかし、操業以来の経過・社会情勢の変化の中で、様々な課題が発生したり、近年では人口減少も相まって「人」が集まらないという課題があるそうです。100人規模で雇用したい計画があるにも関わらず、庄内地域において雇用確保が極めて厳しい状況だということでございました。他県においては、企業が行政の支援を受けて事業や雇用を拡大するなど積極的な投資を進めている例があるようでございます。都道府県や市町村の企業支援にどのような違いがあるのか、私には中々実態を把握することは、困難なところであります。

山形県においても、例えば、大企業、中小企業に関わらず、的確な企業振興策を進めるためには、県内企業の状況調査はもちろん行われていると認識いたしますし、様々な企業との協議の場や意見交換の場などは数えきれないほどあるものと思いますが、企業が抱える課題や必要な支援等は様々であり、時の経済情勢によっても変わってくるものと考えます。県では、40年、50年前の高度成長期に誘致された企業が立地後、どのような課題を抱えているかなど、細やかな把握はどのような形で行われているのでしょうか。   

近年は、新規起業や創業等のスタート支援に重点が置かれているように感じますが、これまでに誘致された企業の状況把握や支援等はどのようになっておられるのか、今後の雇用確保策も含め、産業労働部長にお伺いいたしておきたいと存じます。

【産業労働部長答弁】

 誘致企業は、県が本県産業の発展・成長を目指すうえで是非とも必要な企業と判断し、様々な支援を提案しながら、幾度となく交渉した結果、山形県を信頼して進出を決断した企業であり、その信頼・決断に対しては、県としてもしっかりと応えていく必要があると考えております。

 誘致企業が本県に進出し、事業活動を展開していく中では、事業の拡大、雇用の確保といった様々な課題に関連して、県に対する提案・要望等も生じてまいります。このような誘致企業の実情に対応するため、県と誘致企業等で組織する 「山形県新企業懇話会」を設置しており、これまでも緊密に意見交換を行いながら、誘致企業の課題や要望等に最大限応えられるよう、関係機関とも連携・協力しながら親身に対応しているところです。加えて、企業誘致の担当職員が誘致企業に直接出向いて、随時、要望や意見等を伺っているほか、県外事務所と連携して、誘致企業の本社を訪問して意見交換を行うなど、きめ細かなフォローアップを行っております。

 誘致企業に対する支援につきましては、県の様々な産業振興に係る支援制度を活用いただくとともに、増設等の新たな投資を行う場合には、一定の要件のもと企業立地促進補助金の対象としております。また、雇用の確保についても、県が行う雇用確保対策に加え、新企業懇話会の事業として、県内大学等との交流会や高等学校の就職担当者を対象にした企業見学会を開催しており、今後とも雇用確保が図られるよう企業の意見や要望等もお聞きしながら、必要な事業を行ってまいります。

 企業誘致の基本は、相手企業との顔の見える関係づくりであります。誘致後も互いに顔の見える良好な関係をしっかりと築き、本県への進出を決断して本当に良かったと思っていただけるよう、誘致企業と山形県の相互の発展に向けて全力で取り組んでまいります。

【質問】

8 建設資材価格の高騰による公共事業等への影響と円滑な執行に向けた対応について

最後に、ウクライナ情勢を巡るロシアへの経済制裁などにより原油やガスといったエネルギー価格の高騰だけでなく、食品全般や飼料、建設資材など業界を問わず多種多様な分野で影響が広がっています。このような影響が広がることにより、コロナ禍からの経済社会活動の回復の足取りが大きく阻害されかねない中で、政府においても「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」を決定するなど、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするべく、今後は、実行の段階に移っていくものと思われます。

一方で、建設資材価格の高騰により、本県公共工事への影響が大いにあるのではないかと懸念しております。具体的には、道路や橋梁の整備・老朽化対策・予防保全工事など様々な社会資本の整備、機能維持に関する工事が、今回の価格の高騰と新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴う物流の停滞により、事業の進捗、効果の発現にも多大な影響を及ぼす、あるいは、既に影響を及ぼしているのではないかという懸念でございます。

社会資本の整備は、我が県の発展になくてはならないものであり、老朽化対策などの機能維持も、県民の安全安心な暮らしに欠かせないものであります。今回の建設資材の価格高騰は、建設業界や公共事業にどのような影響をもたらしているのか、また、現在予定している公共事業を円滑に執行していくために、どのような対応策を講じているのか、県土整備部長にお伺いいたしまして代表質問とさせて頂きます。ありがとうございました。

【県土整備部長答弁】

 建設資材価格については、今年4月の資材価格を昨年同月と比較しますと、燃油や鋼材類が概ね2割から3割の上昇となっております。事業者からは、今後の価格動向や一部資材の納期遅延などについて、不安や懸念の声をお聞きしているところです。

 建設資材価格の高騰は、公共工事受注者の持続的な経営に影響を与えるとともに、県民の暮らしや産業を支える社会資本整備の遅れに繋がることも危惧されます。

 このような状況に対応するため、県では、主に三つの観点から建設資材価格高騰への対応策を講じているところであります。

 一つ目は、実勢価格を反映した、きめ細やかな設計単価の設定であります。設計単価は、通常、年4回、その時々の実勢価格を反映した単価に改定しておりますが、今般のような急激な建設資材価格の変動が確認される場合には、臨時の設計単価改定を行い、直近の価格動向を反映してまいります。

 二つ目は、工事受注後の建設資材高騰に対する変更契約の対応です。公共工事の契約約款では、急激な価格変動等に伴い請負代金が不適当となった場合の変更の規定、いわゆるスライド条項を定めております。この条項に基づき、適切に変更契約を行ってまいります。

 今月1日からは、各総合支庁へ県土整備部所管工事に関する「スライド相談窓口」を設置し、受注者からの相談に応じる体制を整えております。これらの取組みを建設関連団体や市町村などに広く周知し、円滑なスライド条項の適用に繋げてまいります。

 三つ目は、柔軟な工期の運用です。工事期間中の資材の納期遅延等、受注者の(せき)によらない工期不足の発生が予測される場合は、適切に工期を延長してまいります。

 これらの取組みにより、安心して受注できる環境を整え、本県の発展を支える社会資本の着実な整備を推進してまいります。

2022年2月定例会◆予算質疑◆3月7日

 

おはようございます。県政クラブの石黒覚でございます。

 まずは私からも、ロシアのウクライナ侵略によって子供たちから笑顔を奪い、未来を奪うことなど絶対にあってはならないことを申し上げたいと思います。更にプーチン大統領は、ウクライナの原子力発電所に砲弾を打つという、あってはならない暴挙にでたことは、人類史上に消すことのできない汚点を残すことになりました。一人一人の声は小さいかも知れませんが、山形県から、日本から、そして平和を希求する世界中の人々と一緒に、プーチン大統領の癲狂と言うしかない蛮行に、最も強い言葉で非難するものでございます。

 そして私たちは、もう一つ忘れてはならない日が近づいてきました。11年前の3月11日です。東日本大震災です。あれから11年が過ぎる現在でも、いまだに全国に3万8千人を超える、本県にも1400人を超える避難者の方々が、いらっしゃることを私たちは決して忘れてはならないと思うところでございます。

 ロシアの砲弾に倒れたウクライナの人々と東日本大震災で犠牲になられた人々のご冥福をお祈り申し上げますと共に、ウクライナに1日も早く平和が戻ること、そして東日本大震災から1日も早い完全な復興がなされますことを強く望むものでございます。

 また今年の大雪は、県内でも多くの犠牲者を出してしまいました。先日テレビのニュースでも報じておりましたが、白鳥が例年になく死んでいます。私の家の隣に飛鳥沼という小さな沼があるのですが、この周辺で、2月中頃から毎日のように死んだ白鳥が見つかり20数羽になっています。ニュースでは酒田地域で60羽ほど見つかり例年の7倍と伝えていました。大雪で田面が現れず、餌をとることができなかったために、餓死したのではないかと庄内総合支庁環境課の方がおっしゃっておりました。豪雨、大雪など近年の気候変動による影響は、こうしたところにも顕著に表れることを痛感した次第です。地球温暖化対策も待ったなしの状況です。令和4年度がコロナ禍が収束し、本県にとりまして穏やかな1年になりますことを願いながら、質問に入らせて頂きたいと思います。

《質問》

1 東北公益文科大学の公立化及び機能強化の進め方について

 東北公益文科大学の公立化と機能強化の進め方について、お伺いいたします。

 公設民営という形で設置されました、東北公益文科大学の公立化と機能強化につきましては、これまで何度となくご質問申し上げて参りましたし、先の12月定例会におきましても、代表質問の中で、具体的な公立化の時期などをご質問申し上げたところでございます。

 昨年12月定例会は、吉村知事ご不在という状況もございましたので、従来の答弁を踏まえながら、庄内地域2市3町の実務者との間で、基本的な考え方や県と2市3町との役割分担などについて、継続的な検討を進めており、一つひとつ、丁寧な議論を積み重ね、基本的な方針を定めることに注力していくとのご答弁をいただいたところでございます。

 今定例会におきましても、代表質問や一般質問で、複数の議員から本大学の公立化について質問がありまして、期せずして、この問題に対する県民の関心の高さが、現れているものと認識を致すところでございます。

 地域の持続的発展に向けまして、本大学への期待は極めて大きいものがあると考えます。また、これまでの関係者のご尽力により築かれた実績を土台にしながら、今後も地域活性化の担い手として、必要不可欠な存在であると確信いたすものでございます。

 これまでの答弁をお聞き致す限り、設置団体のあり方や、財政負担の在り方など、克服すべき課題について、この先の協議が見通せない事情もおありなのでしょうが、一方、こうした課題に対しましては、当面、目先の目標を共有しておく必要もあり、そこから一歩が前に進んで行く場合も多いのではないかと、感じるものでございます。

 そこで、これまで進めてこられた2市3町との実務者の協議を基本に、令和4年度の目途として、どのようなことを目指すのか、吉村美栄子知事のお考えをお伺いいたしたいと存じます。

 誠に蛇足ではございますが、この2月3月にドットJP主催の議員インターンシップで、インターンの学生さん2名をお預かり致しております。今年はたまたまですが、東北公益文科大学の2年生お二方でございまして、私と一緒に酒田から通っております。吉村知事の政策を前に進めるお力で、本県の未来を託す若者たちの学びを持続可能なものとして頂きますよう、ご期待申し上げるものでございます。

《答弁:知事》

 東北公益文科大学は、我が国で唯一の「公益学部」を持つ大学であり、本大学の設立宣言にありますとおり、人や心を本位とする時代に即した有為な人材を、庄内地域を始めとする県内各地域に向けて、多数輩出していただいております。

 また、コロナ後の社会を見据えて、昨年11月に政府が示した、新しい資本主義の実現に向けたビジョンでは、持続可能性や、「人」を重視して、新たな投資や成長につなげることとしておりますことから、本大学の設立宣言で掲げる理念は、このような視点を先取りしたものと考えております。

 本大学の公立化と機能強化に向けた総合的な検討につきましては、これまでお答えしてきたとおり、県と庄内地域2市3町との間で、基本的事項である公立大学法人の設立主体のあり方、法人の組織・運営の手法や財務の仕組みなどを始めとして、幅広く意見交換を行い、認識の共有を進めてまいりました。

 一方で、公立大学は、地方公共団体の高等教育施策に係る中心的役割を担いますことから、地域活性化の推進や若者の地元定着など、本県として解決すべき行政課題に対応した人材育成の機能等については、県内の高等教育機関それぞれの役割・機能を踏まえて考えていく必要があります。

 先週2月28日に開催された本大学の理事会におきまして、新たに、平山副知事が副理事長に選任されましたので、これを一つの契機として、大学とも連絡・調整を図りながら、目指すべき公立大学のあり方につきましても、検討も進むのではないかと考えております。

 また、本大学は、県と当時の庄内地域全14市町村が協力して設立した大学であり、私立大学ならではの柔軟な大学運営とするため、公設民営方式と決定し、今日に至っております。

 私立大学から公立大学に移行した他県の先行事例などを踏まえますと、代表質問や一般質問でもお示ししましたとおり、組織体制や、ランニングコストとして毎年度継続的に生じる財政負担の在り方など、将来にわたって、各自治体の運営に影響を及ぼす事項について、一つひとつ、丁寧に議論を尽くすことが求められております。

 こうした状況を踏まえ、令和4年度は、実務担当者よりも高いレベルでの議論も含め、大学運営に関する専門家の意見も伺いながら、公立化と機能強化に係る方向性をとりまとめてまいります。

《質問》

2 政府の看護職等の処遇改善政策における現場の対応と課題について 

 昨年10月の衆議院議員総選挙の後に再スタートを切られた岸田政権が、その直後の11月19日「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の中で、「未来社会を切り拓く『新しい資本主義』の起動」と称し、分配戦略~安心と成長を呼ぶ「人」への投資の強化~として、公的部門における分配機能の強化等を掲げ、看護、介護、保育、幼児教育などの現場で働く方々の収入の引き上げを、閣議決定しました。

 また、この2月22日の衆議院本会議において令和3年度補正予算、令和4年度予算等が可決されました。前段申し上げました、新型コロナウイルス感染症への対応と、少子高齢化への対応が重なる最前線において働く方々の収入を引き上げることが盛り込まれたものでございます。

 看護職員等処遇改善では、地域でコロナ医療など一定の役割を担う医療機関(※印で説明があり、救急搬送件数200台/年の医療機関及び三次救急を担う医療機関)に勤務する看護職員が対象で、収入を1%程度(月額4千円)引き上げる。

 また介護職員処遇改善では、賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提として、収入を3%程度(月額9千円)引き上げる。

 また保育士・幼稚園教諭の処遇改善では介護職員同様に、賃上げ効果が継続される取り組みを行うことを前提として、収入を3%程度(月額9千円)引き上げる。

 例えば、看護職員処遇改善では、看護師、准看護師、保健師、助産師が対象となり、医療機関の判断で、看護補助者、理学療法士、作業療法士等コメディカルの賃金改善に充てることが可能となっているようでございます。

一方、県立病院において対象になるのは先ほどふれました救急搬送の台数や三次救急を担う病院という条件から、県立こころの医療センターの看護職員は対象外と伺っております。

 賃金水準を引き上げることに、異論を申し上げるわけにはいかないと認識しながらも、本来、賃金というものは労使交渉によって決められるものと認識致しておりますし、公務員の皆様方には人事院勧告制度がある訳でございます。何よりも同じ職場で働く方々が、今回の政策によって格差を助長し、あるいは同一職種においても賃金に格差が生じないのか、極めて疑問なところでございます。更には、この2月から本年9月までの期間となっていますが、その後は地方自治体や民間事業者に任せることになるのならば、継続が望めるのかはなはだ不透明だと、考えてしまうわけであります。

 申し上げましたように、看護職の処遇改善はとてもありがたいことだと思いますが、対象となる看護師と対象にならない看護師、医療機関の判断で、看護師のみ対象で他のコメディカルは対象外、病院によっては救急搬送条件を満たさない、例えば「県立こころの医療センター」は対象外など等、格差是正が叫ばれる現状において、格差を生み出す危険はないのか。また、処遇改善が実施される看護職においては、月額4000円はボーナスの計算対象になるのか、一般的に考えるならば、月額アップの部分がボーナスの対象外というのも矛盾に思えるわけですが、まずは現時点でどのように具体的な進め方をするのか、課題は何かについて病院事業管理者にお伺いいたします。

《答弁:病院事業管理者》 

 看護職員の処遇改善の具体的な手法としましては、政府の補正予算に盛り込まれた看護職員等処遇改善事業を活用し、この事業の対象となるための所定の要件を満たす中央病院、新庄病院、河北病院の3県立病院に勤務する看護師、助産師、准看護師に対して、2月に遡って月額4,000円の特殊勤務手当を支給するものであります。この単価は、財源となる国庫補助金の「1人当たり月額平均」として示されたものと同額であり、今回はその全額を期末・勤勉手当の算定基礎とはならない月額特殊勤務手当として支給することとしております。

 この度の看護職員等処遇改善事業の課題としては、①県立病院の中でも支給対象外となる病院があること、②薬剤師以外のコメディカル職員を処遇改善の対象に加えることができるよう柔軟な運用が認められている一方で、財源となる国庫補助金の算定基礎にはそのコメディカル職員の人数が含まれないことなど、勤務する病院や職種による職員間の格差感や不公平感を生じさせかねない課題があると認識しております。また、看護職員等処遇改善事業終了後の、10月以降の処遇改善の制度内容が現時点で明確に示されていないことについても大きな課題であると認識しております。

 病院事業局としましては、政府の補助事業(看護職員等処遇改善事業)の趣旨に鑑み、2月から9月までの処遇改善については、中央病院、新庄病院及び河北病院に勤務する看護職員を対象として実施することとしますが、補助事業終了後の10月以降については、今後、診療報酬改定により診療報酬制度の中で措置されることになっておりますので、その議論の状況を注視しながら、どのように処遇改善を実施すべきか改めて検討してまいりたいと考えております。

《再質問》

 一方で、令和3年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の医療分による支援のうち、病床確保料の一部は医療従事者に対して処遇改善を行うために用いることとすると、なっているようでございますが、県立病院では、こうした対応はどのようになっているのでしょうか。

3 本県における食品ロスの現状と課題について

 次に、本県における「食品ロス」の現状と課題についてお伺いいたします。

 実はこの質問は、昨年お預かりいたしましたインターン生2名が農学部の学生ということもあって、意見交換する中でお尋ねをする予定だったのですが、時間切れで質問できずに、一年後の今日になってしまったものでございます。今年のインターン生も「環境」という切り口で、地球の未来を考えたいという思いを持っていると聞きましたので、改めてお伺いすることと致した次第でございます。

 昨年だったと記憶いたしておりますが、NHKスペシャルでSDGsキャンペーンとして「2030未来への分岐点」という番組が放映されました。

1回目が「暴走する温暖化“脱炭素”への挑戦」

2回目が「飽食の悪夢〜水・食料クライシス〜」

3回目が「プラスチック汚染の脅威 ~新たな社会システムは構築できるか~」の2回目で取り上げられたものです。この番組が伝えた「食品ロスの現状」は、驚くばかりの状況でした。世界の食品ロスは、世界の食糧生産量の3分の1に相当する13億トンが捨てられ、日本でも食べられるのに捨てられるいわゆる「食品ロス」が、2017年度推計値で612万トン、(2019年度推計値で570万トン)捨てられています。これはほぼ東京ドーム5杯分になり、国民一人当たり毎日お茶碗1杯分捨てているそうです。一方世界では、9人に1人が栄養不足で、飢餓による死亡者も増加するばかりだと報告されています。

 さて、こうした状況の中にあって、本県では「第3次山形県循環型社会形成推進計画」が策定されています。これまでも「食品ロスの削減」を「ごみゼロやまがた県民運動」の展開方針の柱に位置付け取組んできていましたが、令和元年10月「食品ロスの削減の推進に関する法律(食品ロス削減推進法)」が施行され、県民運動の更なる強化が求められているものと考えます。

 県では、令和3年度事業として新規に、①協力店と連携したテイクアウトボックスの実証実験 ②高校生を対象とした環境にやさしい料理レシピコンテストの開催 ③専用ウェブページとSNSによる周知啓発などに、取り組まれたものとお聞き致しております。今月初めの山新記事によりますと、「テイクアウトボックス」による残った料理の持ち帰りが、飲食店に好評との報道がございました。

 そこで、本県における「食品ロス」の現状と課題をどのように分析され、今後さらにどのように対応、計画実現を目指すのか、環境エネルギー部長にお伺いいたします。

《答弁:環境エネルギー部長》 

 我が国では、まだ食べることができる食品が生産、製造、販売、消費等の各段階で日常的に廃棄されて大量の食品ロスが発生しており、家計負担や行政経費のほか、エネルギー・労働力等に無駄が生じ、CO2排出量増加にもつながっています。本県も同様の状況です。

 食品ロス発生量については、家庭や事業所のすべての食品廃棄物から食べ残しや売れ残りなどを分類することは不可能なため、政府では一定の推計方法で計算しており、本県でも準じて試算したところ、令和元年度の家庭系食品ロス発生量は約2万4千トンとなり、平成30年度より約1千トン減少したものと捉えております。

 このような状況を踏まえ、県では、より一層の食品ロス削減に向け、県民の更なる意識改革が必要と考え、昨年3月に策定した「第3次山形県循環型社会形成推進計画」を食品ロス削減推進法に基づく「食品ロス削減推進計画」としても位置付け、今年度から取組みを強化しているところです。

 具体的には、飲食店から残った料理を持ち帰るテイクアウトボックスの普及に向け、28店舗で実証実験を行い、お客さんへの勧め方や材質・形状等効果的な活用方法を検証しております。また、食材を無駄なく使う「環境にやさしい料理レシピコンテスト」の対象を次代の担い手となる県内高校生に絞って募集しましたが、過去最高だった昨年度の1.5倍となる199件の応募がありました。さらに、県ホームページに「みんなで減らそう食品ロス!」と銘打った専用ウェブページを開設するとともに、県SNSも活用して情報発信と啓発を行っております。加えて、未利用食品の有効活用を図るため、県庁と庄内総合支庁で初めてのフードドライブを計3回開催し、職員が持ち寄った食品をフードバンク団体に提供しました。また、小盛りメニューの設定や閉店間際の値引き販売等に取り組むもったいない山形協力店の登録数が昨年度末より89店舗増の424店となるなど、県民・事業者の意識は高まってきていると考えられます。

 来年度は、テイクアウトボックスについて、今年度の実証実験結果を踏まえ、協力店を約70店舗に拡大して本格展開を図ります。また、新たにコンビニ・スーパーなどで来店客が商品棚の手前に並べられている販売期限の迫った食品から積極的に選ぶ「てまえどり」の啓発資材を650店舗に配布するとともに、フードバンク団体に委託し、地域や職場でのフードドライブ活動の普及拡大に向けた講演会や研修会を開催することとしております。

 これらの取組みをさらに進め、令和12年度の食品ロス発生量を1万8千トンに削減する目標の実現を目指してまいります。

《質問》

4 小児の新型コロナワクチン接種について

 次に、先週3日の山形新聞に掲載されておりましたが、本県におきましても、5歳~11歳の新型コロナウイルスワクチンの接種が2日から始まったようでございます。この件に関しましては、先月の厚生環境常任委員会で、同僚議員でございます今野議員がお尋ねを致しておりましたが、私からも改めましてお伺いを致しておきたいと思います。

 私自身は、前期高齢者の仲間入りをしていますので、既に3回目のワクチン接種まで終了しております。1,2回目で副反応らしいものは全くなかったのでございますが、先月接種した3回目は、次の日の朝に38度の熱が出て、節々が痛いなどの状況になりました。これが副反応ということなのかと、改めて感じた次第でございます。また、私の妻は、3回とも次の日に熱や倦怠感を感じて、かなりきつそうでした。こうしたことを考えると、5歳~11歳の子供たちにおけるワクチン接種に関して、打つ、打たない、の判断をすることになる保護者の方々のご不安な気持ちはよくわかります。私の所にも、そうした不安を訴えてこられる県民の方がおられます。

 一番は、国内における治験がなく、厚労省のホームページ等におきましても、副反応に関する詳細なデータが少ない、山形県として県民に対する情報提供が少ない、などの事からとても不安なのだとお聞きしています。一方で、学者や医療関係者にも小児のワクチンに警鐘を鳴らす方々がいるわけでございます。そうしたことを踏まえると、これらに関する持っている情報を、副反応等のデータも含め、的確に県民の皆様方にお伝えすることが、重要だと考えるところでございます。小児へのコロナワクチン接種の判断をする保護者への情報提供について、健康福祉部長にお伺いいたします。

《答弁:健康福祉部長》 

 5歳から11歳の小児へのワクチン接種につきましては、確かに国内での治験データはございませんが、諸外国での治験データや接種の実施状況、また、医学の専門家の意見等も踏まえた上で、ワクチンとしての有効性・安全性が認められるとして、政府において1月21日に薬事承認が行われております。

 一方で、現時点で、オミクロン株に対する発症予防効果・重症化予防効果に関するエビデンスが確定的でないということから、接種の「努力義務」は適用されないこととなり、また、日本小児科学会では、保護者による主治医への相談を前提としながらも、基礎疾患のある子どもの重症化を防ぐことが期待されること、また、健康な子どもについては、メリットとデメリットを本人及び保護者が十分に理解した上で、接種を受けられるようにきめ細やかな対応が必要であることなどの見解が示されております。

 こうしたことから、委員ご指摘のとおり、小児のワクチン接種にあたっては、感染症予防の効果と副反応等のリスク双方について、正しい知識を持っていただいた上で、保護者の意思に基づいて接種の判断をしていただくことが重要であると考えております。厚生労働省では、2月上旬から順次、小児接種についてのお知らせのホームページで、5歳から11歳の子どもとその保護者向けの小児用ワクチンの効果や安全性などについて、わかりやすく解説したリーフレットや、保護者向けのワクチンの説明書、また、Q&Aなどを掲載しているほか、副反応に関するデータも同様に公表し、接種の判断の材料になる情報を提供しております。県におきましても、政府で作成したこうした広報資料や国立感染症研究所長へのインタビュー動画を県ホームページに掲載するとともに、県内市町村に対しても様々な媒体を通した周知・広報をお願いしているところです。

 また、小児へのワクチン接種につきましては、小児科医の確保が必要となります。市町村によっては、小児科医の確保が困難なところもございますので、地域によっては、私ども県も調整に入り、広域での接種体制を整えるなど、準備を進めてきたところです。なお、小児用ワクチンは、2月下旬から政府の供給が始まっております。県内の早いところでは3月初め頃から接種が始まっております。昨日までに、県内では3つの自治体で接種が開始されており、今月中旬以降、順次接種が本格化してまいります。

 県としましては、保護者の皆様が、科学的知見に基づく正確な情報をもとに適切に判断していただき、希望する方が安心して接種できるよう、市町村と連携し、情報発信に努めてまいりたいと考えております。

【質問者から教育長への意見】

 一方、保護者の方々のご心配は、ワクチンを打った、打たないについて、学校の中で話題になり、そのことが「いじめ」の原因にならないのか、との意見も届けられました。まさにあってはならないことでありますが、新型コロナウイルス感染症が本県でも確認された当初、「感染したのはあそこの家のだれだれだそうだ」「感染者の家に石が投げられた」「感染後、職場で嫌がらせにあって引っ越した」などの、噂話が絶えなかったことを振り返ると、子どもたちの中で、このことが決して「いじめ」のきっかけになってはならないと強く思うところでございます。教育長におかれましては、こうした保護者のご心配をしっかりと共有頂きまして、年度末、年度初めの行事慌ただしい中にも、緊張感をもって子供たちを導いて頂きますようお願い申し上げます。

《質問》

5 行政デジタル化の推進について(総務部長)

 最後に、行政のデジタル化に向けた取り組みについてお伺いいたします。この件に関しましては、今定例会におきましても、既に何名かの議員から質問があったところでございまして、まさに時代が大きく変化する只中にあるということを、痛感するものでございます。そして、その変革をより加速させる必要が、大きく求められるきっかけの一つが、新型コロナウイルス感染症の拡大であることも事実として受け止めなければならないと思うところでございます。

 さて、少子高齢化によりまして、我が国の労働力人口の減少は加速致しており、この対策として政府が働き方改革を提唱し、実行計画を定めて各種施策を実施するようになりましてから、既に5年が経過いたします。

 この間、労働者、特に若い労働者の意識に大きな変化があり、仕事と家庭生活の両立が可能な環境を整える「ワーク・ライフ・バランス」の推進は、企業が優秀な人材を集めるために必要な要素の一つになっているものと思います。

 民間企業では、WEB会議やリモートワークなど業務のデジタル化を図ることにより、この課題に前向きに対応しているところが多く見受けられます。

 多くの職員で組織される企業体の一つであります「県庁」でも、こうした課題に前向きに取り組み、優秀な人材を確保する必要があると考えます。

 そこで、働き方改革の観点から県庁全体の行政デジタル化に、どのように取り組んでこられたのか、総務部長にお伺い申し上げます。

《答弁:総務部長》 

 質の高い行政サービスを提供するため、県行政のデジタル化を進めることは極めて重要であると認識しております。このため、県では、職員のテレワークやWEB会議などを推進してまいりました。

 働き方改革の視点では、紙中心の業務スタイルを見直し、自席にとらわれないワークスタイルを推進するため、フリーアドレスの実証に取り組み、書類を6割削減するなど、執務環境の改善につなげるとともに、若手職員の意見を取り入れながら、執務時間中はモバイルワークや小規模打合せを行うスペースとして、時間外は業務外の活動スペースとして多目的に利用できるミーティングスペース(「そららぼ」)を、県庁舎16階に整備し、1月下旬から利用を開始しているところです。

 また、WEB会議についても、一人1台パソコンからZOOMへの接続にいち早く取り組み、在宅勤務を含め積極的なモバイルワークの推進により、WEB会議の開催回数は、令和元年度実績の年間319回から令和3年度は1月末現在で既に約7,000回と、20倍以上に拡大しております。

 更には、AIを活用した会議録作成支援システムの導入拡大により、利用回数は、昨年度のおよそ2倍となる374回を数えており、アンケートによれば、作業時間がおよそ半減されたとの評価を得ています。また、パソコン入力の作業を自動化するRPAの導入においては、7割から9割もの作業時間の削減効果がありました。

 令和4年度は、これらの取組みを更に拡充するとともに、デジタル技術をより積極的に導入・活用することで、柔軟で自律性の高い働き方を実現し、生産性の向上に結びつけてまいりたいと考えております。

《再質問》

 私は、ハード面を含めて県庁全体でデジタル社会に対応した県行政事務の基盤づくりを整えることが必要であると考えます。 さらなるデジタル社会の進展が見込まれる中、将来を見据えて、県行政のデジタル化にどのように取り組んでいくべきと考えておられるのか、職員育成の観点も含めて、お伺いいたしたいと思います。

 また、大瀧部長におかれましては、平成31年4月に山形県に来られ、企画振興部長、みらい企画創造部長、令和2年7月からは総務部長と、3年間、山形県のために御尽力を賜りました。人事についてはまだわかりませんが、いずれは総務省に戻られると思います。本省に戻られても引き続き山形県の応援をいただきたいと思っております。

個人的には、昨年の秋に秋田県のご実家でコンバインを運転して稲刈り作業をされているSNSの投稿が、とても身近で親しみ深く心に残っております。地方の時代は、大瀧部長から開かれていくと言っても過言ではないと思います。

 そこで、大瀧部長は、各地の自治体を経験されてこられたと思いますが、山形県の感想や今後に期待することなどについてお伺いできればと思います。