2010,9,14 総括質疑(一中・五中統合校名条例改正)

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平成22年9月定例会 一中・五中統合校名条例改正議案に対する 市民の会石黒覚総括質疑原稿 

それでは、市民の会を代表いたしまして、議題83号酒田市立学校設置条例の一部改正について、総括質疑を申し上げさせて頂きたいと存じます。

改めて申し上げるまでもないところでありますが、本議案は酒田市立第一中学校と同第五中学校の統合に係る統合後の校名変更のための条例改正と言う提案でございます。このことにつきましては、去る6月定例議会におきまして、一般質問を申し上げた経過がございます。あえて正式な議案として提案を受けたことで、その時点の質問を繰り返す内容になることも承知の上で、お尋ねを申し上げることをご容赦願いたいと存じます。

まず、今議会に提案するに至る教育委員会の校名検討経過について確認をさせて頂きたいと存じます。

平成21年11月25日に行なわれました統合準備委員会におきまして示されました結論、それまで本当に長い時間と真摯な議論を重ね、新しい学校に大きな期待と夢を広げる子供たちに、アンケート調査まで実施し、しかし尚、全会一致の結論に至らず、民主主義の基本である表決によって得られた結果であります「光ヶ丘中学校」と言う校名が提示されて以来、今年4月6日開催の教育委員会におきまして「第一中学校」とすることが決定されるまでの4ヶ月もの時間的経過の中で、この極めて重要な学校統合における校名に対する教育委員会の考え方が、何故一度も公式の場で議論されることがなかったのでしょうか。本来、正式か否かは別にしても、統合準備委員会に校名検討を依頼した経過からすれば、教育委員会と言う公の組織から、統合準備委員会と言う公の組織に対して「諮問」をしたのだと考えることに、いささかの疑いもないところだと、私は認識を致すものでございます。だからこそ、最終的に提示された答申案について、一度も公式の場、いわゆる公開の場での議論がなされなかった、教育委員会の対応は本来あるべき姿ではなかったと言わざるを得ないところであります。今さら言ったとか、言わないとかの議論をするつもりはないのでありますが、4月6日以前の教育委員会の統合に関する基本的考え方として示されていた、市民の皆様の意見を大切にすると言う点からも、教育委員会の基本方針が、いつ、どこで、なぜ、変ったのか明確にお示しを頂きたいと存じます。

次に、なぜ今議会での提案でなければならないのかについて、お尋ねを致しておきたいと存じます。最も近い事例であります、鳥海八幡中学校統合における今議案と同様の条例改正については、議案として提案される一年前に全会一致で決まったにも関らず、実際に条例改正議案として提案されたのは、4ヶ月前の12月議会であったと記憶致しているところでございます。繰り返しますが、統合準備委員会、地域や保護者の方々、さらには市議会全体の一致した理解が得られるような努力を尽くした上での提案にすることができなかったのか。なぜ現時点においても、意見の対立がある中で、12月議会あるいは臨時議会での対応ではなく、今議会でなければならないのか、その理由をお示し頂きたいと存じます。一つ蛇足で申し上げるならば、今回の事案のような議案の場合は、これまで酒田市議会の長い歴史の中で培われた紳士的なルールとして、全会一致を原則としてきた経過について、当局も十分すぎるほど周知のことだと認識しているのですが、如何でしょうか。

次に、6月議会の質問に対する答弁にあったと記憶しているところでございますが、出来る限り丁寧な説明を重ねることで、理解をして頂くと、お聞きしたと思っております。確かに、6月議会以降も、6月17日、7月7日、7月26日には統合準備委員会、8月12日、8月27日と実質5回の説明会が開催されている、ご努力には敬意を表するところであります。しかしながら、7月26日の統合準備委員会への説明の際には、教育委員会の決定に至った経過説明に対して、多くの疑問の意見が出された記録があります。その後、教育委員会として統合準備委員会に対して、さらに理解を深める説明会を開催する予定はあったのでしょうか。結果として、全会一致を基本とする議会側からの意見によって、議会への提案前日であります、8月31日に急遽開催となった経過を見るならば、議会を含む関係各組織や市民の皆様に、本当に真摯な努力の姿勢が伝わったのでしょうか。8月19日各会派に対する議案説明会では、環境が整えば9月議会中に追加提案があるかも知れないと言う説明にも関わらず、当初提案の姿勢を示し、議会の意見があり、結果として本日正式な提案説明がなされたわけでありますが、穿った見方をすれば、時間のない中で提案さえしてしまえば、後は議会に委ねられたのだから議会の責任なのだと、これまでのルールなど忘れてしまったかのような無責任な姿勢にしか見えないのは、私だけなのでしょうか。改めて、今回の統合校名問題における、市民や議会に生じた混乱の責任は、何処にあるのかご所見をお伺い致したいと存じます。

 次に、子供たちの状況についてお伺い致したいと存じます。去る9月9日、総務常任委員協議会に報告されました、8月31日開催の統合準備委員会の記録の中で、五中の校長先生のご発言がありました。統合校名が一中に決定した経過などについて、生徒会三役の生徒に、もし何かあれば、教育長が君達に話したり、意見を聞いたりする機会を設けてもいいと言っているがどうかと訪ねたら、「それは必要ない」との返答だったことが記されています。十分理解をしたので必要ないと言うことなのだとすれば、何も心配することではないと思います。しかし、多感な子供たちの心の中で、投げやりな気持ちでの発言だとするならば、やはりあってはならないことだと思うのでございます。私自身は、中学生という年代の子供たちは、既に社会の様々なことに対して、私たち大人が考えているよりも、はるかにしっかりとした考え方を持っていると、私は思っております。しかし、お二人の校長先生が発言されているように、今さらこの時期に、寝た子を起こすような説明は、むしろ逆効果になる恐れがあるだろう、と言う感じ方をしているのだと思います。私は、説明責任と言うことからすれば、疑問を抱いている子供たちがいるのであれば、説明をするのが当然だと思っています。しかし、前向きに考えようとしている子供たちに、あえて説明することで負の効果が大きくなるのだとする、教育現場を知り尽くした校長先生のお考えも、もっともだと思うところでございます。しかし一方で今回の件は、子供たちに説明できない事、説明できない歴史をつくったのではないかと、危惧を抱いてしまいます。現段階で把握されている子供たちの状況について、お伺いを致しておきたいと存じます。

 最後に、これから残された半年余りの準備期間しかないわけであります。そしてその先に、統合校における新しい歴史を創っていく中で、地域や子供たちの間に、問題が発生しないようにするために、教育委員会は、どのような対応をされていかれるのかお伺い致しておきたいと存じます。

 以上、申し上げまして1問目とさせて頂きます。