12月定例議会《代表質問》

県政クラブの石黒覚でございます。

 私からも県政クラブを代表致しまして、質問を申し上げさせて頂きたいと存じます。吉村知事を先頭に職員皆様方、医療機関をはじめとする関係各位におかれましては、「新型コロナウイルス感染症」対策におきまして、県民の命と健康を守る闘いに、まさに昼夜を問わず献身的に対応されておりますことに、改めまして心よりの敬意と労いを申し上げる次第でございます。

2009年2月14日、第17代山形県知事にご就任以来、3期12年にわたる県政運営は、激動の荒海の中でのかじ取り役であったと存じます。1期目のスタートは、2008年9月ご就任の前年に発生した「リーマンショック」により、世界的に金融危機に瀕している時でございました。

就任2年後の2011年3月11日には、今思い出しても背筋が凍りつくような、「東日本大震災」そして「福島第一原発事故」発生という、あの日から間もなく10年の歳月が流れる中においても、なお完全な復興がなされないほどの、巨大災害対応の陣頭指揮を強いられ、見事に今日まで被災地を支え続けてこられております。

その後も、地球温暖化に起因すると言われる、これまで経験したことがない巨大な自然災害の発生が続く中、本県におきましても「爆弾低気圧」「巨大台風」「山形県沖地震」「爆弾豪雨」そして世界を脅威に落とし込んでいる「新型コロナウイルス感染症」。

吉村美栄子知事の12年は、言葉では言い表せないほどの社会的不安が拡大した12年であったという他はありません。しかしながら、こうした中においても一貫して「心の通うあったかい県政」を推し進め、県民皆様方に寄り添いながら、「安心・安全」な県づくりに、まっすぐに取り組んでこられ、女性ならではの感性と視点から、本県における重要な課題解決のための施策展開が、大きく前進した12年であったと高く評価致すものでございます。

1 吉村知事3期12年の県政運営の成果とコロナを乗り越え本県をさらに発展させる方向について(知事)

 はじめに、吉村知事3期12年の県政運営の成果とコロナを乗り越え本県をさらに発展させる方向について、知事にお伺い致したいと存じます。

 一期目のマニフェストには、県政運営の4つの基本方針、

1.ムダを廃し、全ては県民のために

2.一律削減から脱却、メリハリのある予算編成

3.県民優先主義、県内経済のための地産地消

4.県民・市町村・現場が求める政策を最優先

を掲げられ、目標値も定めながら、的確な施策展開によって厳しい中にも、着実に成果を上げました。

 さらに二期目は、「県民一人一人が喜びと幸せを実感し、活き活きと輝いて生きていける山形県を実現」を掲げられ、

 1.県政の発展を担い、未来を築く子育て支援、人づくり   の充実

 2.命と暮らしを守る安全・安心な社会の構築

 3.強みと特色を活かした産業振興・雇用創出

 4.高い競争力を持ち、豊かな地域をつくる農林水産業の展開

 5.エネルギーを安定供給し、持続的な発展を可能にする

環境資産の保全・創造・活用

 6.地域活力を生み出し災害に強い県土基盤の形成

を掲げられました。一方で、「持続可能な財政基盤の確立のための行財政改革の推進」を打ち出し、

 1.県民参加による県づくりの推進

 2.県民視点に立った県政運営の推進

 3.自主性・自律性の高い県政運営を支える基盤づくり

に力を入れてこられました。こうした施策展開の中で、待機児童ゼロの実現や私立学校運営補助全国6位、県審議会等における女性委員の割合50%以上達成、山形県受動喫煙防止条例制定、自主防災組織率90.2%(平成31年4月1日現在)。産業面では、有機EL開発から市場拡大、慶應先端研発ベンチャー企業創出、中国・台湾はじめ世界各国へ輸出拡大。農業分野では、農林水産業を起点とする産出額3千億円達成、新規就農者5年連続300人越えで東北ナンバーワン。国際チャーター便250便の就航と通年化の実現、外航クルーズ船の本県初寄港と寄港拡大、など等枚挙にいとまがありません。

 そして三期目は、「自然と文明が調和した新理想郷山形」を掲げ「5つのチャレンジ」を展開しています。

 1.県民総活躍

 2.産業イノベーション

 3.若者の希望実現

 4.健康安心社会

 5.県土強靭化

でございます。また、今年3月には「人と自然がいきいきと調和し、真の豊かさと幸せを実感できる山形」を基本目標とした「第4次山形県総合発展計画」を策定致しました。これはまさに、吉村県政12年の成果を踏まえた、新たな本県の未来を切り拓くための「発展計画」に他なりません。もちろん、この発展計画でも課題とされている人口減少社会と言う、これまで我が国が経験したことのない課題は地方に共通する課題であり、解決に向けては国を挙げて取り組んでいく必要があると認識致すところでございます。こうした中、3期12年にわたり進めてこられた「心の通うあったかい県政」は、本県の発展をどのように導かれてこられたのか。そして、未だ終息の方向すら見えず拡大の一途をたどる「新型コロナウイルス感染症」対策において本県の先頭に立って指揮を執る吉村美栄子知事だからこそ、次代を担う若者や子供たちが、さらに大きな希望を描いて愛する郷土を生き抜くために、本県が向かう方向について、吉村知事にお伺い致したいと存じます。

《吉村知事答弁》

私の就任当初は、リーマン・ショックの影響により、県内経済や雇用情勢が急減に悪化し、有効求人倍率が0.3台になるなど、大変厳しい状況にございました。このため、雇用と所得の確保を最優先に考え、「山形県雇用創出1万人プラン」を策定し、前倒しで目標を達成いたしました。

平成23年3月の東日本大震災では、太平洋側で甚大な被害が発生したことから、日本海側の県として発災直後から被災地への支援に取り組みました。この震災で得た教訓を活かし、リダンダンシー機能の確保等の観点から、東北中央自動車道をはじめとする高速道路等の整備加速や、政府に先駆けて策定した「エネルギー戦略」による再生可能エネルギーの導入拡大などに取り組んできたところです。

こうした緊急を要する課題への対応とあわせ、中長期的な県づくりの観点から、高速交通ネットワークの整備や教育環境の充実、若者の結婚の希望実現や中小企業のサポートなど、様々な分野で「オールやまがた」の支援体制づくりを進めたほか、雇用や所得を生み出し県民の暮らしを安定していくための産業や観光の振興、全国に先駆けた「やまがた森林ノミクス」の推進などにも積極的に取り組み、「つや姫」や「雪若丸」、「やまがた紅王」、「庄内北前ガニ」のブランド化など、地方からの発信に努めてまいりました。こうした取組みの結果、高速道路供用率が50%から76%に伸びたほか、平成30年に、製造業付加価値額は1兆614億円となるなど大きく増加し、農林水産業を起点とした産出額も3,247億円となっております。

このように、県勢発展に向けた基盤が着実に形づくられてきた成果として、総合的な指標である平成29年度の「一人当たり県民所得」が過去最高(全国26位)となったほか、一般財団法人日本総合研究所の「全47都道府県幸福度ランキング2020年版」で本県の総合ランキングが8位となるなど、県民生活の質的な向上につながっていると受け止めております。なお、この幸福度ランキングは75もの指標に基づき点数化されたものであり、客観的に評価されたものでありますので、県民の皆様には山形県の良さを感じていただければと思っております。

一方で、就任当初から重要課題に位置付けてきた少子化や人口減少は、地方が抱える共通の課題であり、道半ばの状況でありますので、ポストコロナを見据え、新しい観点に立った移住・定住促進策の展開や若年女性の県内定着の促進など、これまでの施策に加え対応を強化してまいります。

また、現下の情勢をみますと、人口減少の加速に加え、自然災害の激甚化・頻発化、地球環境問題など、新たな課題も生じております。さらには、我が国を含め世界的に新型コロナの感染が拡大し、県民の暮らしや地域経済にも大きな影響が生じています。新型コロナは、命と暮らしに直結する喫緊の最重要課題であり、県内でも感染が拡大していることから、総力を挙げて対策を進めているところです。今年7月の豪雨災害に対しましても、目下、全力で復旧・復興に向けて取り組んでおります。

このように、就任から現在まで、様々な困難な局面を経験してまいりましたが、私は一貫して「心の通う温かい県政」を基本姿勢に掲げ、「県民視点」「対話重視」「現場主義」のもと、県内各地で皆様の声を直接お聞きし、直面する諸課題に全力で対処してきたところであります。

今後は、引き続き、最優先で新型コロナ対策に取り組むことはもとより、新型コロナに伴う「新・生活様式」の実践と定着による日常のあり方の変容、急速なデジタル化の進行、東京一極集中から分散型社会への流れなど、今まさに時代の大きな転換点にあることを踏まえ、ポストコロナの社会においても持続的に発展し続ける山形県を目指していかなければならないと考えております。

時代の変化を的確にとらえ、デジタル技術など新しい発想や手法を積極的に施策に取り入れながら、これまで培ってきた山形県の優位性を活かし、世界に誇れる山形ならではの「幸せな育ち、幸せな暮らし」をしっかりと実現してまいりたいと思っております。

今後とも、県民お一人おひとりの声に真摯に耳を傾けながら、全力で県政課題に取り組んでまいります。


2 「子育てするなら山形県」確立に向けた思い切った少子化・子育て施策について(知事)

次に、吉村県政3期12年「あったかい県政」の中におきまして、継続的に一貫して「少子化・子育て施策」に大きな力で取り組まれてこられたものと認識致しております。

県と県内全市町村、関係団体が一丸となって結婚支援に取組む「やまがた出会いサポートセンター」を設置し、結婚支援を強力に推し進めておりますことは、県民の皆様にも大きな期待とご支援を頂だい致しているところでございます。

また、今年度待機児童ゼロが達成されましたことは、共働きが多い本県の実情を深く把握され極めて適切な施策展開により、働きながら子育てができる両立支援・保育環境の充実が図られた成果であると評価致すものでございます。

今般のコロナ禍においても、里帰り出産を希望する県内ゆかりの妊婦の方々に対しまして、手厚いPCR検査の支援を実施するなど、安心して出産できる環境を整え温かく迎え入れる山形県を大いに発信されたものと高く評価致すものでございます。

一方で、少子化の大きな時代の流れには抗いきれず、全国的な傾向でもありますが、出生数の減少に歯止めがかからないという厳しい現状がございます。人口減少、超少子化の状況は、我が国の根幹に係る重大な課題であり、決して一県の施策のみで解決できるものではないことは、言うまでもないところでございます。

昨年の本県の出生数は6,500人を下回り、これまでに経験したことがない状況であったと認識致しております。

こうした状況を解決する特効薬は、中々見いだせないと言われながらも、さらに悪化する状況について、手をこまねいているわけにはいかないところでございます。

少子化・子育て対策は地方創生の一丁目一番地であります。そこで、人口減少の拡大をスピードダウンさせ、次代を担う子供たちや若者が「大きな夢」を描き、山形県で生き続けることが出来る未来の実現のために、新たなステージにおける思い切った少子化・子育て対策を講じていく必要があると、強く考えるところでございます。

これまでの少子化・子育て対策に係る知事ご自身の評価と、まさに今こそ、そうした取組みを大きく前に進めるときであろうと認識致すものでございますが、吉村知事のお考えをお伺い致したいと存じます。

《吉村知事答弁》

私は、就任当初から、少子化対策を県政の最重要課題の一つとして位置付け、出会いから結婚、妊娠・出産、子育てまでの切れ目のない支援策を、歩みを止めることなく実施してまいりました。

具体的には、まず、①結婚や子育てなどに関する悩みや不安、負担感や孤立感の解消に向けた対応が大切と考え、オール山形で結婚支援を行う「やまがた出会いサポートセンター」や地域の身近な場所で子育て中の親子の交流や育児相談等を行う「地域子育て支援拠点」など、市町村等とも連携し、個人やご家庭の事情に合わせて相談できる体制を順次整備いたしました。子育て中の方々には、「山形県には、身近に子どもを遊ばせたり相談できる場所が多く、子育てしやすい」とSNS上でも高評価をいただいているところです。

また、②妊娠や出産、子育てなどライフステージに応じた、きめ細かな支援として、高度な医療を提供する「総合周産期母子医療センター」を開設するとともに、全国に先駆けて、不妊治療費の助成制度を拡大してきております。

③さらに、子育て支援策として、低所得や多子世帯に対する保育所・放課後児童クラブの利用料、私学の授業料、子どもの医療費などに助成を行い、子育て家庭の経済的負担の軽減も図ってまいりました。

そして、④本県は女性の就労率の高いことが強みでありますが、子育てしている女性も生き生きとその能力を発揮し、活躍していただけるよう、家庭と仕事を両立できる環境整備にも力を入れてまいりました。両立支援策としましては、市町村と連携しながら保育所の整備と保育士人材の確保に取り組み、保育サービスの量の確保と質の向上に努め、令和2年4月には待機児童数ゼロを達成したところであります。

また、企業におけるワーク・ライフ・バランスを推進するため、企業トップ等を対象としたセミナーの開催やアドバイザーを派遣するなどして、意識の醸成と積極的な取組みを促進しております。

こうした取組みを積み重ねてきたことにより、一般財団法人日本総合研究所発表の「全国都道府県幸福度ランキング2018版」の特集で、「子育て世代の幸福度」が第3位になるなど、本県の子育て環境は従前と比べ大きく向上していることが示されております。

しかしながら、全国と同様、本県の少子化には歯止めがかからず、人口減少が続いている中、このたびの新型コロナの感染拡大により、一層の減少が懸念されます。

少子化対策は何か一つの施策を重点化すれば解決するというような特効薬はないと言われます。社会情勢の変化や政府の施策の方向性も捉えつつ、若者が将来に希望を持ち、子育てしている世代がその時その時に「安心」と「幸せ」を実感できるような子育て環境を、総合的に整備することが大事だと考えております。

また、今後は、若者、とりわけ女性の回帰・定着に加え、県外からの家族での移住にも力を入れることが重要でありますが、県外から移住される方にとって、「住まい」と「仕事」と合わせ、移住先の決め手となるのは「子育て環境」であります。コロナ禍で地方での生活に関心が高まっている中、本県の豊かな自然や食、ゆとりある生活などとともに、本県の子育て環境の優位性をアピールしていくため、新たな対策を大胆に講じていくことが必要であります。

県としましては、限られた財源の中、市町村との連携を図りながら、例えば、①2歳児以下の保育料や高校授業料の完全無償化に加え、②新婚世帯の新居の家賃や引越し費用、③不妊治療費、④出産時費用などの助成制度の拡充など、本県独自の対策について、優先順位を付け、段階的な実施を目指してまいります。

全国トップの子育て環境を整備することにより、山形県ならではの「幸せな育ち、幸せな暮らし」の実現に繋げ、県内の方からも県外の方からも「山形県で子育てしたい」と思っていただける「子育てするなら山形県」を実現したいと考えております。


3 市町村と連携したスポーツ環境の整備に係る基本的な考え方について(知事)

次に、市町村と連携したスポーツ環境の整備に係る基本的な考え方についてお伺い致します。

本定例会に、山形県体育施設条例の一部を改正する条例が上程されました。提案理由は、今年度末をもって山形県あかねヶ丘陸上競技場を廃止するためとされていますが、廃止後は、山形市に対して施設を貸し付ける方向で調整を進めているとお聞きいたしております。

言うまでもなく、スポーツは、心身の健康増進、体力の向上のみならず、夢や感動を与える、県民生活に活力を生み出すものであります。そうしたスポーツを行える環境を整備することは、地域住民の活動の場、活躍の場を提供するだけでなく、人と人との交流の場として、地域の賑わいづくりに寄与し、ひいては地域振興にもつながっていくものと考えるところでございます。

一方で、一般的に公営の施設整備は、その整備費用・財政負担が高額となることから、自治体の財政運営に影響を及ぼしかねないという懸念もあります。これからの施設整備・運用は、県と市町村が一定の役割分担を踏まえながら、これまで以上に連携し、知恵を出し合いながら、その地域の発展につながる、より効果的・効率的な運用方法が求められるのではないでしょうか。

地域の賑わいや振興にもつながる施設の整備については、必要に応じて地元市町村と連携し、相互利益の関係を目指していくべきと考えております。今回のケースのように県と市町村が連携した、スポーツ環境の整備に対する吉村知事の基本的な考え方について、お伺い致したいと存じます。

《吉村知事答弁》

あかねケ丘陸上競技場は、昭和46年に整備され、翌年の全国高校総体や平成4年のべにばな国体のスキー開会式など、本県の主要な大会会場として、その役割を担ってきたところであります。その後は、山形市民や中高生など、年間約12万人の地域の方が利用する施設となっております。

当競技場は現在、県大会が開催可能な第3種公認陸上競技場として公認を受けておりますが、公認期間が令和3年4月をもって終了いたします。県では、天童市の県総合運動公園内に全国大会が開催可能な第1種公認陸上競技場を整備しており、今後の対応については、山形市や関係団体からいただいた意見や要望を踏まえながら、山形市と施設のあり方や管理の方法などについて意見交換を行ってきたところです。こうした中、山形市から「市営陸上競技場として管理・運営したい」という要望があったことから、これまで県と市で協議を重ね、このたび、当競技場を令和3年4月1日付で廃止することとし、廃止後は山形市に貸し付けることにしたいと考えております。

スポーツは、心身の健康増進や体力の向上をもたらすとともに、人々に夢や感動、活力を与え、地域の一体感や誇りを醸成するものであり、地域の振興にも大きく寄与するものと考えております。

県としましては、市町村と連携しながら、スポーツ施設の有効活用を図り、アスリートの活動を支えるスポーツ環境の整備や、地域住民が楽しく安全にスポーツに親しむ環境を創出するとともに、地域の活性化を図っていくことが重要と考えております。

今回、私としましては、県都である山形市のまちづくりを、県としてもできるだけ支援したいという思いから、山形市があかねケ丘陸上競技場を継続的に活用することができるよう、貸付条件の重要な要素である貸付料について、本来、年間約1億6千万円でありますが、時価より低い価格で貸し付ける場合を定めたいわゆる「財産条例」及び「公有財産規則」やその運用、並びに山形市の今後の利用計画などを総合的に判断し、現在、無償でお貸しする方向で調整を進めているところでございます。

本県のスポーツ環境・施設の整備につきましては、山形県スポーツ推進計画において基本的な考え方が示されており、市町村が実施する県内唯一の施設の改修に対して一定の支援を行っておりますが、人口減少を伴う少子高齢化が進み、財政状況も厳しさを増す中、県と市町村が緊密に連携し、効果的な活用方法や運営方法を検討することが求められております。

県としましては、中長期的な視点から将来のまちづくりや地域の活性化にもつながるよう、地元市町村や関係団体と緊密に連携し、知恵を出し合いながら、スポーツ環境の整備を図り、地域の賑わい創出や振興を支援していきたいと考えております。

4 東北公益文科大学の公立化に向けた工程について(総務部長)

次に、東北公益文科大学の公立化に向けた工程についてお伺い致します。

 去る9月定例会代表質問、一般質問等におきまして、東北公益文科大学を公立化する必要性について議論が行われました。人口減少社会に突入した我が国におきましては、極めて深刻な少子化時代の中で、地域における高等教育、大学教育の重要性は、誰しもが認めるところにありながら、私立大学の定員確保や経営維持等、大学当局の運営努力だけでは乗り越えていけない時代となりつつあることも、事実ではないでしょうか。

 そうした現状を踏まえ、9月定例会の中で、吉村知事は、『改革の取組みが実を結び、多くの学生が県内外から本大学へと集うようになってきております。やまがた創生の実現に向けて、若者の県内定着を進めていく上でも、本大学が果たす役割はますます重要性を増してきております。』と強調されました。また『全国的には、本大学と同様の公設民営大学において経営の持続性を高めるとともに、運営の安定を図るため「公立大学法人」に設置方式を変更する事例が見られる』としたうえで、『県としましても、本大学の公立化は、選択肢の一つであると認識をしておりますので、これまでの実務者での検討内容を参考にしながら、大学のさらなる機能強化も含め将来の本大学のあるべき姿について、総合的な検討をしっかりと前に進めてまいります』と、お答えになりました。

 東北公益文科大学の運営にご尽力いただいております新田理事長は『地域づくりのすべては、人づくりにあり、教育が100年先の地域をつくる』とお話されます。その理念を未来に繋ぐためにも、東北公益文科大学の公立化につきましては、しっかりと進めていく必要があると存じます。

 旺文社教育情報センターによる今年4月の全国の大学数は781大学で、約8割が私立大学、先日テレビのニュースで報じられていましたが、この600ほどの私立大学の約3割が定員割れだということでございました。

 本年7月に、東北公益文科大学公立化勉強会の報告書がまとめられ、その中に示されております通り、山形県、庄内2市3町及び東北公益文科大学による「検討会議」を早急に立上げ、本格的な議論を進める必要があると考えるところでございます。当然ながら、公立化のためには総務省及び文部科学省の認可が必要であり、通常そうした手続きにはどの程度の年数が必要なのか、検討会議の設置あるいは、今後の工程についてのお考えを、総務部長にお伺い致したいと存じます。

《総務部長答弁》

東北公益文科大学の将来の在り方につきましては、9月定例会において、少子化が今後一層進むことを踏まえれば、本大学に関わる関係者が知恵を持ち寄り、改めて検討を行う時期に来ており、さらなる機能強化や選択肢の一つである公立化も含め、総合的な検討をしっかり前に進めていく旨、知事からお示しをしたところです。

この方針を踏まえまして、現在、庄内地域2市3町の実務者により取りまとめられました報告書も参考にしながら、課題の洗出しなどを進めるとともに、2市3町と検討の視点や項目、進め方等についての協議を、開始をしているところです。

  検討に当たりましては、本大学が、やまがた創生の実現に向けて、若者の県内定着を進めていく上で、どのような役割を果たしていくべきか、また、そのためにはどのような在り方が最善なのかという観点から、幅広く検討を進めていく必要があると考えておりますし、その先にある、県と2市3町の役割分担や財政負担の在り方などにつきましても、こうした検討の過程において、議論を尽くしていくことになるものと考えております。

  なお、検討の結果、公立化を行うこととなった場合の手続き等に要する期間につきましては、本大学との類似性がある平成24年度に公立へ移行しました鳥取環境大学の例で申し上げますと、公立化の方針を決定した後、移行の準備や国への手続き等で、約1年半を要しておるところでございます。

いずれにいたしましても、本大学が本県の教育研究や人材供給の重要な拠点として、永続的に存続していけるよう、その在り方について、着実に、かつ速やかに検討を進めてまいりたいと考えております。

5 地域医療構想の展開について(健康福祉部長)

 次に、地域医療構想についてお伺い致したいと存じます。

 これまでも何度かお尋ねを致しているところでございますが、「2025年問題」いわゆる団塊の世代が、75歳後期高齢者に達することから、医療・福祉などに大きな影響を及ぼすことに対して、国及び都道府県が「地域医療構想」を推進しているところでございます。本県におきましても、平成28年に策定され推進されているものと存じます。しかしながら、この度の新型コロナウイルス感染症拡大という、医療現場にとっては予想もできない極めてひっ迫した状況下、地域医療構想を具体化する議論や取組みが困難な現状にあります。

 本県における「地域医療構想」を議論する時、北庄内地域で取り組まれております「日本海ヘルスケアネット」の実践に注目しない訳にはいかないところでございます。先月16日には、熊田総務副大臣が日本海総合病院や関係施設を視察され「地域の事情に合った大変よくできた仕組みだ」と述べておりました。2018年に本県初の地域医療連携推進法人認定を受けた「日本海ヘルスケアネット」は、全国的にも注目を集める地域医療構想モデルと言っても過言ではありません。

一方、私自身、例えば庄内地域において、酒田だ、鶴岡だという時代ではなく、全てにおいて庄内というエリアでの、ものの考え方に立たなければ、地域として持続可能な未来が開けて行かないと強く思うところでございます。そうした中で、今年6月「鶴岡の医療を守る市民研究会」がスタートして、これまで5回にわたる公開講座において、活発な議論が行われて参りました。先月5日に行われた第5回目の講座では、荘内病院、日本海総合病院、鶴岡協立病院の各院長、鶴岡地区医師会の2名の役員による討論会が行われました。日本海総合病院長は「コロナ禍で病床稼働率80%の日本海総合病院、一つの病院だけが縮小しても限界があり、庄内全体で最適化を考える必要がある」協立病院長は「病院同士の緩い連携ではなく、踏み込んだ連携をしなければならないところに来ている。医療従事者人材確保も地域全体で調整が必要」医師会理事は「鶴岡、酒田両市は別々でなく、庄内一体で地域医療を考えなければいけない時代になっている」荘内病院院長からは「荘内病院の患者が減っているが救急外来患者数は変わらない。荘内病院の医療の力を強力にしていかないと地域住民の需要にこたえられない」などの意見が交わされました。

 まさに庄内地域医療の最前線の現場から、極めて率直な現状が示され、意見が交わされたものと存じます。こうした現場の声をどのように受け止め、現在進む地域医療構想調整会議の今後の在り方などについて、健康福祉部長のお考えをお伺い致したいと存じます。

《健康福祉部長答弁》

地域医療構想は、人口減少、高齢化が進む中、将来の医療や介護のニーズを見据え、県民に必要な医療機能や医療提供体制を持続的に確保し、急性期医療から在宅医療や介護サービスに至るまで一連のサービスを切れ目なく提供する体制を構築するために必要な取組みであります。

   庄内地域においては、日本海総合病院と地域の医療機関や社会福祉施設等が連携する地域医療連携推進法人「日本海ヘルスケアネット」の取組みが進んでおり、また、鶴岡市における市民研究会による将来の地域医療のあり方に関する議論など、持続可能な地域医療の確保に向けた活動や自発的な議論が行われており、県内において大変有意義な取組みがなされていると評価しております。

  今般の新型コロナの流行に伴い、感染症指定医療機関を補完するための複合的な受入体制が必要となるなど、これまでの地域医療構想では想定されていない事態が生じております。

   こうした状況を踏まえ、8月に厚生労働省より、感染症への対応の視点も含めた今後の地域医療構想に関する取組みの進め方などを、改めて整理のうえ示す旨の通知があり、県としては、現在、厚生労働省の検討の動向を注視しているところです。

   一方で、今後、人口減少・高齢化や施設の老朽化が着実に進んでいく中、今後の地域における医療提供体制のあり方を改めて考え、必要な見直しに取り組むことは避けて通れない課題であります。

  県といたしましては、政府における議論の動向を注視しながら、地域医療構想調整会議において、こうした地域における現場の取組みや声を丁寧に拾いつつ、持続可能な医療提供体制の構築に向けて、関係者間の議論を進めてまいりたいと考えております。


6 ゼロカーボンやまがたの実現について(環境エネルギー部長)

次に、ゼロカーボンやまがたの実現についてお伺い致します。

 吉村知事におかれましては、本年8月6日に開催されましたオンラインによる全国知事会「ゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチーム」の初会合において「ゼロカーボンやまがた2050宣言」をされました。

 いわゆる脱炭素社会構築をめざす「ゼロカーボン」の取組みは、2015年12月のCOP21において交わされたパリ協定採択がスタートでした。我が国は昨年2019年COP25において、各国が目標引き上げを表明する中、引き上げを表明しないことから国際的な批判を浴びたことが思い出されます。

 今年10月に発足した菅内閣が、10月26日に首相所信表明演説において「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言されました。いよいよ、国を挙げての取組みが動き出したことは、大いに歓迎すべきことであると考えます。

 本県では、今年3月に策定の第4次総合発展計画の中で「脱炭素社会づくりを進める」としており、吉村知事の「ゼロカーボンやまがた2050宣言」により明確に方向が示されたわけでございます。こうした状況を踏まえ、2017年3月改定の「山形県地球温暖化対策実行計画」の次期計画策定に向け、現在作業中と認識致しております。ゼロカーボンの取組みは、具体的な対策や成果の見えにくさが波及の障害となっていると言われています。いかに県民、事業者、行政が一体となって取り組むかが極めて重要な課題であろうと考えます。

一方、本年7月に梶山経済産業大臣が、非効率石炭火力の2030年フェードアウトに向け、具体的な検討を開始する旨の公表がなされました。

 本県には、酒田港に石炭による火力発電1~2号機合わせて70万kWの出力を有する酒田共同火力発電所が稼働致しております。東日本大震災、福島第一原発事故から間もなく10年を迎えますが、この間、本県はもとより東北地方への電源供給に大きく貢献してまいりました。

 時代の流れの中で、地球的な取組みが求められる「ゼロカーボン社会構築」に向け、石炭火力発電の今後のあり方といった民間企業の経営にかかわることについて、私も、県行政も、一線を超える意見を申し上げる立場にはないことを踏まえつつ、そうした近未来の本県のエネルギー政策の方向を含め、本県地球温暖化対策実行計画をどのような方向で策定し、どのような取組みを展開することで「ゼロカーボンやまがた」を実現していかれるのか、環境エネルギー部長にお伺い致したいと存じます。

《環境エネルギー部長答弁》

現在、県では、2050年に温室効果ガス排出を実質ゼロにする、いわゆる「ゼロカーボン社会」の実現に向けて、「山形県地球温暖化対策実行計画」を「山形県環境計画」に包含する形で新たな計画の策定を進めております。計画では、「気候変動リスクを抑制するゼロカーボン社会の構築」を施策の柱の一つと位置づけ、SDGs、デジタル化、グリーンイノベーション等、時代の大きな潮流を踏まえつつ、ゼロカーボン社会の構築という新たな目標に向け、施策を構築してまいります。

具体的には、県民・事業者・市町村等と連携し、ゼロカーボンに向けた、県民総ぐるみの新たな県民運動を展開し、環境問題を「自分ごと」と捉えられるよう、県民意識やライフスタイルの変容を促していくとともに、徹底した省エネ、再エネの導入拡大、森林吸収源対策を三つの柱とし、実効性ある施策に取り組んでまいります。特に、CO排出量の多い「家庭・事業所・自動車」を重点に、「やまがた健康住宅」やZEHの普及など住宅の脱炭素化、アドバイザー派遣による企業の自発的な取組みの促進、電気自動車など次世代自動車の普及等を図ってまいります。

また、ゼロカーボンを達成するためには、将来的に県内の電力需要をほぼ全て再エネで賄うことが必要になると考えられるため、今後のエネルギー政策の方向として、洋上風力発電など更なる再エネの導入拡大や、やまがた新電力の活用による再エネ電力の地産地消をより一層進めてまいりたいと考えております。

県としましては、2050年までの温室効果ガス排出実質ゼロへの道筋を描きながら、ソフト・ハード両面の対策にしっかりと取り組み、「ゼロカーボンやまがた」の実現を目指してまいります。


7 非効率石炭火力発電のフェードアウトへの対応について(産業労働部長)

次に、非効率石炭火力発電のフェードアウトに伴う課題についてお伺い致します。

 ただ今申し上げましたように、非効率石炭火力発電について、仮に2030年フェードアウトが実際に実行される場合、酒田港の利用状況や関連する事業者に及ぼす影響について、しっかりと検証し、的確な対応の方向について議論を深めることが急務であろうと考えるところでございます。

 新型コロナウイルス感染症拡大前における酒田港の利用拡大は、申し上げるまでもなく、極めて順調な状況にあったと認識致しております。新たな分野として県民の大きな期待が高まった、コンテナ貨物取扱の拡大や外航クルーズ船の寄港、あるいは農産物輸出の可能性研究・調査など様々な点において、本県の産業が世界に羽ばたく拠点として大いなる飛躍が期待されておりました。一方で、令和元年酒田港貨物取扱量332万トンの内、54.3%180万トンが、酒田共同火力発電所が使用する石炭で占めることも実態でございます。この発電所に関連する事業所に従事している多くの県民の方々の、ご心配を考えると、新たな雇用の場の創出への取組みも極めて重要な課題になってくると言わざるを得ないところでございます。

 10年と言う時間をどのように捉えるかにつきましては、対応する事柄によって違いがあると致しましても、一つの大きな事業者のフェードアウトによる影響を考えますと、新たな雇用の場の創出に係る議論となれば、10年は極めて短い時間と言わざるを得ません。前段の質問でも申し上げましたが、民間企業の営業に関わることについて、私も、県行政も一線を超える意見を申し上げる立場にないことを踏まえつつ、この課題に対する現時点における産業労働部長のご所見をお伺い致しておきたいと存じます。

《産業労働部長答弁》

酒田共同火力発電株式会社は、酒田臨海工業団地の造成当初からの立地企業であり、火力発電事業により安定した電源を地域に供給するばかりでなく、雇用の受け皿として、また酒田港の取扱貨物量の約半分を占める重要な企業であることから、同火力発電所の存続の可否は産業面からも大きな課題であると認識しております。

同社については、従業員や業務委託による構内作業員などを含め約500人の雇用があり、酒田港全体の取扱貨物量(重量ベース)の約54%(石炭)を占めるなど、酒田市によれば、法人税や固定資産税なども含めた経済波及効果は年間約30億円と試算されており、地域経済に大きく寄与しております。

政府においては、2030年のエネルギーミックス達成に向け、非効率な石炭火力発電のフェードアウトを促す仕組みを構築するとしており、現時点では、具体的にどの発電所が対象となるのか明らかにされていない状況ですが、築43年を経過し東北電力管内でも年代の古い石炭火力である酒田共同火力が仮に休廃止の対象となった場合、本県経済に非常に大きな影響が出ることが想定されます。

このため、産業労働部においても、現在、政府のエネルギー戦略を注視しつつ、雇用や産業への影響の面から、親会社である東北電力の方針や対応方向等について情報収集を行っているところです。

県としては、今後も引き続き、酒田共同火力や東北電力と情報共有を行いながら、雇用の維持・拡大が継続的に図られるよう、様々な方策を検討していくとともに、港湾貨物についても、新たな荷主の掘り起こしや港湾利用型の企業誘致に力を入れるなど、地元の酒田市と十分連携しながら、地域経済の持続的な発展に向け取り組んでまいります。


8 道路橋の長寿命化施策について(県土整備部長)

 最後に、道路橋の長寿命化施策についてお伺い致します。

 前段の質問におきまして「ゼロカーボン社会構築」に向けた地球的規模の取組みが必要な時代認識が明らかになった点について申し上げたところでございますが、まさに地球温暖化に起因するであろうと言われる、近年の激甚化・頻発化する天候由来の自然災害、爆弾豪雨などによる甚大な被害の状況を受け、社会インフラの重要性を再認識致すとともに、早期の強靭化の必要性を強く感じているところでございます。

 一方、重要な社会インフラの一つであります道路橋は、高度成長期に集中的に整備された経過があり、今後急速に老朽化が進むことが大きく懸念されるところと考えます。このため、本県ではこれまで、予防保全型維持管理による道路橋の長寿命化に取り組んでいるところであると認識致しておりますが、老朽橋梁の補修及び架け替え等について、これまでの取組みはどのように進めてこられたのか、その取組みを踏まえながら今後どのような方針を掲げ、取り組んで行かれるのか、また「山形県道路中期計画2028」におきまして、橋梁架け替えの代表箇所が示されております。昨日、県公共事業評価監視委員会の今年度第1回目会合について、新聞報道がございましたように、私くしの居住地、酒田市の国道112号実生橋が示されておりますが、このような架け替えをする個所は、どのような考え方に基づいて選定致しておられるのか、県土整備部長にお伺い申し上げまして、代表質問とさせて頂きます。

《県土整備部長答弁》

一点目の、これまでの取組みにつきましては、県管理の約2,400橋を法令に基づき、全て近接目視点検を行い、健全度を診断し、壊れる前に補修するというメンテナンスサイクルを回すことで、橋梁の長寿命化を図り、長期的な維持管理コストの縮減を図っています。なお、長期的な維持管理コストと比較の上、経済的な場合は、架替えを行う場合もあります。

二点目の、今後の方針と取組みにつきましては、橋梁の超高齢化への対応が必要です。建設後50年以上になる橋梁は、10年後に5割を超えますので、突然、重大な損傷が発生する不確実性も考慮する必要があるということです。これに対応する取組みは、二つあります。一つ目は、点検データやノウハウを蓄積することで、より的確な健全度の診断を行うことです。二つ目は、損傷の進み具合や補修期間、補修費用を勘案して毎年度の予算の平準化を行うことです。これらにより、安全かつ持続的に橋が利用できるよう努めて参ります。

三点目の、架替え箇所の選定につきましては、損傷状況や交通への影響などを踏まえ、総合的に判断しています。例えば、実生(みのり)橋(ばし)は、建設後84年が経過し、再度補修することが経済的でなくなるほど損傷が進んできたこと、架替え時に迂回路となる道路の整備が完了する目処もついたことなどから、架替え箇所に選定しました。

なお、本県では、規模が大きい事業に新規に着手しようとする場合、透明性と客観性の確保の観点から、有識者で組織する「公共事業評価監視委員会」から予め意見を聞くことになっております。この実生(みのり)橋(ばし)は、12月2日に開催した同委員会において審議され、「事業実施が妥当である」との意見をいただきました。このことを踏まえ、令和3年度当初の予算編成作業に取組んで参ります。